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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章
「ヴィヴィとクリスは、日本語・英語・フランス語・ドイツ語は、喋れるんだよね?」
円の言葉に、ヴィヴィは頷く。
「うん。学校でフランス語の授業あるから」
BSTは 母国語=英語、外国語=フランス語、となっている。
「ドイツ語は~?」
「ドイツ語はお兄ちゃんが大学の授業で取り始めて、興味があったからヴィヴィ達も勉強してたんだ~」
匠海が大学1~2年の頃、双子は中学1~2年。
ノービスとジュニアを掛け持ちしていた時期で、今ほど多忙では無かった。
最初の2年間は3人でドイツ人家庭教師のレッスンを受け、その後は各人が語学学校のテレビ通話機能を使って、勉強していた。
「マドカは?」
「私はね、日本語と英語と、中国語が日常会話レベル」
「そっか~。やっぱり国連公用語から攻めるべきだよね?」
ヴィヴィのその言葉に、クリスが同意する。
「ん……。アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語……かな」
続いて円が口を挟んでくる。
「人口の多い順では、1位:中国語、2位:スペイン語、3位:英語、4位:アラビア語…(中略)…8位:ロシア語、9位:日本語、10位:ドイツ語、圏外:フランス語の順だね」
人口の少ないフランス語が国連公用語になっているのは不思議だが、国際オリンピック委員会(IOC)の公用語も、英語と並んでフランス語が採用されていた。
ヴィヴィは薄い胸の前で両腕を組んで唸る。
「う~~ん。ヴィヴィの興味的には、スペイン語 → ロシア語 → アラビア語 → 中国語、なんだけど」
「中国語、そんなに興味ない?」
円のその確認に、ヴィヴィはにへらと笑ってみせる。
「ん~~……。旅行に行きたいかそうでないかで、ランク付けしてみたっ」
「あははっ なるほど」
ただ、将来のことを考えると、そんな能天気なことは言ってられなくて。
「やっぱ、現実的に考えて、中国語とスペイン語……かな?」
そう結論付けたヴィヴィに頷いたクリスは、円にも促す。
「マドカは……?」
「ん。もう決めてて、フランス語とスペイン語。クリスは?」
「うん……。中国語とロシア語……」