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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章
「「え~~……?」」
父の言葉にそう疑問の声を上げた双子だったが、「まあ、いいか」と顔を見合わせて肩を竦めたのだった。
約1時間のランチを終え、父が思い出したように付け加えた。
「双子ちゃん。センター試験まで1週間か――。この1年半、お前達は寝る間も惜しんで、本当に頑張ってきた。きっといい結果に繋がる筈だ。自分を信じて、頑張ってきなさい」
父の温かい激励の言葉に、隣に座ったジュリアンも大きく頷いて同意していた。
「「はい」」
双子は表情を引き締めてそう返事をすると、1週間後のセンター試験に向けて再度、帯を締め直した。
「双子が受験終わったら、こういう風な時間、もっと作りましょうね?」
ジュリアンのその言葉に、皆が笑顔になり(クリスは瞳だけで微笑んで)一様に頷いたのだった。
その翌日――1月9日(土)。
何故か深夜に制服を纏ったヴィヴィは、兄の寝室で苛められていた。
その金色の頭には、昨日着けていた紺色のカチューシャまでされていて。
(お兄ちゃんの、えっち……)
もちろんヴィヴィが率先してこんな恰好をした訳では無く、昨日 “おいた” をした妹を懲らしめようと、匠海が命令してきたのだ。
そして、散々舌と指で解されて、後は匠海と繋がれると心待ちしていたヴィヴィに、言い渡されたのは、
「ほら、 “猫のポーズ” してごらん?」
「わ……、忘れたもんっ!」
にやりと嗤いながら見下ろしてくる匠海に、ヴィヴィは咄嗟にそう反抗する。
「おや、物覚えの悪い子だね。11月頭、あの手この手で、俺を誘惑してきたくせに」
10月31日のハロウィンの夜、兄に無理やり抱かれる悪夢を見たヴィヴィは、11月頭、ストレッチ、ヨガ、マッサージを自分の寝室で兄に披露し、誘惑してその心を試そうとした。
その時にしたヨガのポーズの1つが “猫のポーズ” で。
「も~う~、覚えてな~い~」
ぷうと頬を膨らませてみせるヴィヴィに、心得た匠海がベッドサイドからiPadを取り上げ、妹の目の前にかざした。
「ほら、このポーズだよ」
そこには写真に加え、説明文まで書かれていた。
『四つん這いになり、息を吸いながら頭とお尻を持ち上げ、背中を弓なりに反らしましょう』