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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章             

「……っ 変態っ」

 そう可愛くない事を言って兄を詰るヴィヴィに、匠海が眉を眇めてみせる。

「まったく、口の悪いKitty(にゃんこ)だ」

「……やぁ……っ 意地悪、しないで……?」

 甘えた声で上目使いに兄を見上げても、今日の匠海は頑として譲らなかった。

「駄目。お前、会社で俺を “変態” 呼ばわりしようとしたからね」

(え~……、ヴィヴィ、本当の事を伝えようとしただけなのにぃ~……)

 全く反省の色のないヴィヴィだったが、それよりもどんどん冷えていく躰に焦りだして。

 おずおずと兄の前で黒いシーツに四つん這いになったヴィヴィは、金色の頭と紺地に赤線のタータンチェックスカートに包まれた小さなお尻を持ち上げ、まるで胸を突き出すように白シャツを纏った細い背筋を反らせた。

「……っ ……おにぃちゃぁん……」

 羞恥に頬を染めて後ろの兄を振り返れば、そこには至極満足そうに微笑んだ匠海がいた。

「ああ、いい子だ。可愛いね」

 そう褒められながら、スカート越しに小ぶりな双丘を撫で擦られて、薄い胸の中で膨れ上がるのは、その先に待ち受けているであろう、恍惚とする愉悦に対する期待。

「……は、やく……っ」

(早く、ヴィヴィと、ひとつになろう……?)

 ヴィヴィの気持ちが通じたのか、スカートを捲りあげた匠海が、大きな掌で白い膨らみを鷲掴み。

「ほら、食いしん坊の俺のKitty(子猫ちゃん)。お腹一杯、お食べ?」

 そんなからかいにも聞こえる言葉と共に、匠海の陰茎はヴィヴィの潤ったところに突き立てられた。

「ぁああんっ ……っ あっ お……っきぃ」

 まだ指しか受け入れていなかったそこに一気に挿入されて、ヴィヴィは更に背を仰け反らせる。

「うん? 苦しい?」

「……だい、じょうぶ……」

 確かに少し苦しいが、それも時間が経つにつれ、ヴィヴィの膣粘膜は兄の形に馴染み、その逞しさに嬉しそうに纏わり付き始めた。

「ヴィクトリア、こっち向いてごらん」

 そう呼んでくれた匠海の声が、とても優しくて、

「ん……。おにいちゃん」

 両手でシーツを掴みながら後ろを振り仰げば、自分の制服の腰を掴みながら見下ろしてくる匠海の表情が心配そうなことに気付く。

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