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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第103章
「大丈夫? 怖くないか?」
「……大丈夫……」
ヴィヴィがバックから貫かれるのが苦手、という事を解っている匠海のその優しい気遣いに、ヴィヴィはこくりと頷いてみせた。
けれど、次に兄が発した言葉に、ヴィヴィは灰色の瞳を剥いて、匠海を睨み上げた。
「良かった。じゃあ、もっと怖くなくなるように、 “猫語” 喋ってみようか?」
「……はいぃ~~っ!?」
「ほら、『にゃんにゃん』言ってごらん?」
「………………」
あまりの兄の変質ぶりに、ヴィヴィはもう黙り込むしかなくて。
(ど、ド変態……。こんなにカッコ良くて、全てに優れてる完璧人間なのに……、ド変態……っ)
「ほら、可愛くおねだりしないと、動いてあげないぞ?」
先程、恥を忍んで “猫のポーズ” でおねだりしたのに、まだそんな事を要求してくる匠海に、ヴィヴィはとうとう堪忍袋の緒が切れた。
「…………ぶっ飛ばす、にゃんっ☠」
妹にしてはドスの利いた声でそう凄んだヴィヴィに、繋がったままの匠海が吹き出した。
「ぶは……っ あははっ 本当に口の悪いにゃんこだな。ほら、気持ち良くなろうね」
「ぁんっ あ……っ はぅん、おにぃちゃぁあんっ」
細い背中をシャツ越しに撫でられながら、優しく愛されて蕩け始めたところを、徐々に激しく揺さぶられて身も心も匠海に翻弄され、狂わされていく。
「ほら、ヴィクトリア、出すよっ」
「んんっ」
自分の躰に覆い被さってきた匠海に耳元で囁かれ、もう待てないとでもいう様に、ヴィヴィの躰がぶるりと震える。
「欲しい? 出して、欲しい? ビューって……っ」
激しく腰を打ち付けながら言葉で苛めてくる匠海に、ヴィヴィはちらりと後ろを振り返り、潤んだ瞳で兄を見つめた。
「んっ ほし、い……っ あっ ひ、ひゃぁうううっ!!」
欲しいと強請った途端、すぐに最奥に捻じ込まれ、匠海の分身が熱く爆ぜた。
切羽詰まった嬌声を吐いた後、シーツの上に突っ伏してしまったヴィヴィを、匠海が愛おしそうに撫で擦り。
「可愛くイけたね。いい子だ」
そう何度も褒めてくれる兄の言葉と、滲み出る優しさと、再び与えられた快楽に、ヴィヴィは今宵も酔いしれたのだった。