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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章
「ふ、まだ、物足りなさそうだね……。掻き混ぜてから、また注いであげるよ」
大きな掌でヴィヴィの腰を両側からがっしり掴んだ匠海は、またゆっくりと白濁にぬかるむそこを撹拌し始め。
もう何度イったか覚えていないヴィヴィは、兄の好きな様に抱き続けられ、やがて意識を失ったのだった。
1月26日(月)。
朝練を終えた双子は、1週間ぶりにBSTに登校し、東大と慶応の願書提出に使う為、密封された “調査書” と “英国基準の成績評価証明書” を担任から預かり。
1月28日(木)。
まだ、東大の1次試験であるセンター試験の結果で、2次試験である東大 前期試験が受けられるかも判明していない中、双子は東大の前期試験と後期試験に併願で出願した。
そうして慌ただしく1月が終わり。
2月1日(月)の登校日。
また1週間ぶりに会えたクラスメイト達と、ヴィヴィはきゃっきゃとじゃれ合い近況報告を交わしていた。
ホームルームを1時間しただけで終わりの登校日。
ヴィヴィはワンピの制服に紺のカーディガンを羽織った上から、学園指定の紺のダッフルコートを羽織ろうとして、その手を隣から掴まれた。
「……ん? どした、カレン?」
自分の手首を掴んでいたのは、何故か頬を染めたカレンで。
「ちょ、ちょっとだけ時間、取れる……?」
「うん。いいよ~。何?」
能天気な声でそう発したヴィヴィは、人好きする開けっ広げな笑みを湛えて頷いた。
(珍しく、ほっぺ真っ赤にして……。は……っ!? ヴィヴィ、まさか……、カレンに愛の告白、されちゃうのっ!?)
そう冗談を思い浮かべながらカレンに着いて行けば、廊下の隅で親友が発した要件は、(当たり前だが)全く違う内容だった。
「プロム……っ の、事、なんだけど……っ」
「プロム……? が、どうかしたの?」
プロムとは、プロムナード(舞踏会)の略で、英国や米国の高校最後の年に開かれるもので。
BSTでも卒業式の夜、行われることになっている。