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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章
「どう? この大人の味が理解出来るかな、ベーベちゃん(赤ちゃん)?」
「……暑、い……」
からかってくる兄の言葉に、そう呟いたヴィヴィの頬はピンク色で。
「酔っぱらったのか? 可愛いな。水飲む?」
妹の頬を撫でながらそう確認してくる匠海に、ヴィヴィはその大きな掌に自分の細いそれを重ね、兄を誘った。
「ううん……。お兄ちゃん、早く、行こう……?」
「ん? 行くってどこへ?」
解っている筈なのにそう白を切る匠海に、ヴィヴィはきゅっと眉間を寄せる。
「……っ ベッド……っ いこう?」
(ヴィヴィと、気持ち良い事、しよう……?)
「ま~だ。せっかくお前から貰ったシャンパン味わっているのに、急かさないでくれ」
「………………っ」
両肩を上げながらそう発した匠海に、ヴィヴィは更に切な気な表情を浮かべた。
「そんなに早く、愛し合いたいのか?」
「……ん……っ」
「じゃあ、準備してていいよ。そうしたらベッドに行ったら、すぐに気持ち良くしてあげられるからね」
「――っ 意地悪っ」
そう兄を詰ったヴィヴィだったが、その両手はすぐに匠海のバスローブへと伸ばされた。
常のヴィヴィなら、「こんな明るい場所で、そんな事出来ない!」と恥ずかしがっただろうが、今のヴィヴィは完全に酔っていた。
酒 : 匠海 = 6 : 4 の割合で。
腰を上げて合わせ目を寛がせた兄のそこは、まだ半起ちの状態で。
あまり見た事が無かったその状態に、ヴィヴィは細い指先を這わせ始めた。
まだ肌色に近いそこが、ヴィヴィの与える緩慢な刺激に反応し、徐々に色づく様に薄紅色に染まっていく。
ちらりと兄の顔を見上げれば、匠海は興味深そうにヴィヴィを見つめており、時折それを肴にグラスを口に運んでいた。
その様子があまりにも色っぽくて、ヴィヴィの頬がかっと朱に染まった。
兄に愛して欲しくて必死の自分と、余裕綽々の匠海。
その差に対抗意識を燃やしたヴィヴィは、兄の美しい顔を見つめながら、昂ぶりを扱く強さを増していった。
「ふ、可愛いほっぺと鼻の先がピンク色だね。ああ、ちっちゃな耳も……。そんなに潤んだ瞳で見つめていいのは、俺だけだからな?」
妹の慾にまみれた幼い表情をそう言葉にしてくる匠海に、ヴィヴィはこくりと頷く。