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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章
「だから、大丈夫。ヴィクトリアは万が一 今年受験に失敗しても、来年トライ出来るし。それにクリスも俺も、もちろんダッドもマムも、お前が合格すると信じている――」
「……お、おにぃちゃぁんっ」
匠海の説得力のある言葉と態度に、ヴィヴィはくしゃりと顔を歪めると、兄の躰に再度縋り付いた。
「いい子だ、ヴィクトリア。お前は本当に周りに気を使い過ぎるから……。もっとどんと構えていいんだよ。人間、一生の内に5度くらいは、自分の為に周りを振り回してもいいと俺は思っている」
兄のその言い分に、ヴィヴィは色々と引っ掛かりを覚えたが、突っ込んだのは下記についてだった。
「……ご、5度は多いかと……」
「ふっ そうか?」
耳元で面白そうにそう囁く匠海に、ヴィヴィは安堵した声で言い募る。
「ん……。ヴィヴィは、もう数えきれない、くらい、お兄ちゃんに、振り回されてる、けど……」
「ははっ それを言うなら俺だってそうさ。もう可愛くて我が儘で甘えん坊のお前に、俺はいっつも振り回されてるからな? もちろん、喜んで――だけど」
明るい声で笑った匠海は、ヴィヴィの肩を掴んで躰を離し、その顔を覗き込む。
「喜ん、で?」
泣き腫らした瞳でそう尋ねるヴィヴィに、その目蓋に口付けを落としながら匠海は続ける。
「そうだよ。俺の可愛い恋人に、あの手この手で翻弄させられて、俺の心と躰はとっても喜んでいる」
「おにいちゃん……」
今日だって匠海に迷惑を掛けたのに、こんなに甘やかしてくれる兄は、ヴィヴィの大好きな微笑みを浮かべて話を打ち切ってくる。
「さ、ヴィクトリア。お風呂入って、寝ようか」
その兄の言葉に、ヴィヴィは微かに首を傾げる。
何故ならば、
「…………まだ、元気、だけど……?」
ヴィヴィの奥深くまで埋められた兄の陰茎は、未だ気持ち良さ気で、時折切な気にびくびく震えていた。
「ふはっ そりゃあ、お前にあんなに「もっともっと」って愛らしく強請られたら、俺のビッグマグナムはギンギ――」
「変態っ!」
咄嗟にそう突っ込んだヴィヴィに、匠海がにやりと嗤う。
「その変態が好きなくせに」