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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章
「~~っ ぁん、好きぃ……」
その言葉と共に意識して蜜壷の中の匠海を締め付ければ、
「もう一回だけ、するか?」
「……ん……」
互いにそう確認した兄妹は、くすりと苦笑し合った。
「じゃあ、もう一度愛し合ったら、今日の事は吹っ切って、東大受験まで頑張れるね?」
「うん。東大受験どころか、その先の世界選手権まで頑張れる」
ヴィヴィのそのしっかりとした返事に、匠海は安堵して頷いた。
「いい子だ。じゃあ、バレンタインに相応しい、チョコレートの様に甘い啼き声、聞かせて貰おうかな――?」
匠海がそう宣言した通り、ヴィヴィはバレンタイン仕様のビッグ○グナム(恥)に散々愛され。
その白濁を奥深くで受け止めた頃には、身も心もトロトロに蕩かされていたのだった。
翌朝、目覚めたヴィヴィは、匠海に昨晩掛けた迷惑を平謝りに謝り。
そして気持ちを入れ替え、日々の努力を着実に積み重ねていった。
慶應義塾大学の入試日から5日経った、その日――2月18日(木)。
リンクのカフェテリアでまたPCを覗き込んでいたヴィヴィは、
「――っ きゃ~~~~っ!!!!」
細く甲高い声で絶叫した。
「受かったの? ねえ、そうなのっ!?」
そう問い詰めてくる母ジュリアンに、ヴィヴィは言葉にならず、ぶんぶん首肯する。
「……~~~っ!?」と声にならない、母ジュリアンと。
「おっしゃ~っ! やったな、ヴィヴィっ!!」とサブコーチが。
「いや~~……、これでヴィヴィも、慶応BOYならぬ、慶応GIRLですか……」と柿田トレーナーが。
「よ、良かった~~……っ 取り敢えず、浪人はまのがれた……」と牧野マネージャーが。
「ま……。当然、でしょ……」とクリスが。
双子チームが揃ってそう祝福してくれる中、ヴィヴィは立ち上がり、皆に向かってぺこりと金色の頭を下げた。
「本当に、皆のお陰ですっ いつもタイトな試合スケジュールに付き合ってくれて、色々迷惑掛けたのに嫌な顔一つせずにサポートしてくれてっ 本当に、本当に感謝してます。ありがとう――っ!!」
心を込めて今迄の感謝を述べたヴィヴィだったが、チームの皆は違っていた。