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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章              

「ああ、ありがとう、My bestfriend――カレン。実は先ほど教室に入るまで、今日自分がBSTからいなくなるなんて想像も出来なくて……っ けれどこれだけ涙が溢れるくらい、私にとって掛け替えの無い学園生活が送れたことだけは、自信を持って言えます。Thank you so much――教諭の方々、在校生のみんな、PTAの皆さん。そして、同じ時を過ごし、一緒に成長してくれたクラスメイトのみんな。本当に、ありがとう――」

 途中涙で詰まりながらもそうスピーチを終えたヴィヴィに、皆からわっと大きな歓声と拍手が送られた。

 そして、その後のクリスのスピーチでは、

「うちの泣き虫が、お騒がせしてすみません――」

とヴィヴィをからかい、また会場は大盛り上がりしたのだった。

 その後、式は滞りなく進み、ABBAのDancing QueenのBGMで踊りながら退場するという、明るいセレモニーが終了した。

 在校生から花やプレゼントを受け取って一緒に写真を撮り、再会を約束した双子は、マネージャーの牧野に連れられて、校門に向かった。

 校門から2mほど離れた場所に陣取る約30名のメディア関係者は、あるものはカメラを構えたり、あるものは長いマイクロフォンを双子に向けてきたりで、思わぬ人数に双子は驚いた。

 受験期間に入る以前も、BSTへの取材は一切断っていた為、双子の制服姿をぜひ映像に収めようと、各社こぞって押し寄せたらしかった。

「ご卒業、おめでとうございま~す!」

 記者達から掛けられる祝福の言葉に、紺のローブ姿の双子は揃って「「ありがとうございます」」とお礼を言いながらカメラの前に立った。

 カシャカシャと音を立てながらシャッターが切られるそのフラッシュが眩しくて、ヴィヴィは目がしょぼしょぼしたが耐えた。

「卒業おめでとうございます! どんな式でしたか?」

 記者からのその質問に、真っ先にクリスが口を開く。

「ヴィヴィが 卒業したくない と号泣していました」

「クリス……っ!? 言っちゃダメっ!!」

 焦ってそう止めるヴィヴィに、記者達から笑いが上がる。

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