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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章              

 他にも2週間後に迫る世界選手権に関して等、色々と質問を受け、最後に寄越された質問に、双子は顔を見合わせた。

「大学はどこを受験されたのですか?」

「僕は――、……そうですね、受かったら、言います……」

 クリスがそう答えあぐねたのは、ヴィヴィが視線で「頼む! 言わないでっ!! お願いだからっ!!!」と訴えていたからだった。

 おそらく、クリスの志望大学 = ヴィヴィの志望大学 と取られるだろうから。

(「あのおバカさんが東大受験して、やっぱり落ちたんだって~。うける~っ」って言われるの、ヴィヴィ、嫌だようぅっ)

「ヴィヴィちゃんは?」

「……結果発表……が、まだ、なので……、以下同文、です……(´;ω;`)」

 そう情けない返事を寄越し、紺のローブを纏ったライオン君のぬいぐるみで顔を隠したヴィヴィに、その場にいた皆が笑ったのだった。







 卒業セレモニーを終え帰宅した双子は、ランチを摂って勉強した。

 というのも、東大 前期試験の合格発表は来週の月曜日で、その結果如何によっては、後期試験を受けなければならないからだ。

 15時半を回った頃、双子はそれぞれ18時から行われるプロム(舞踏会)の準備を始めた。

 バスを使い、朝比奈にメイクとヘアセットをして貰い。

 そしてドレス用のコルセットを着けたヴィヴィは、用意された白のロングドレスを身に纏い、ウォーキングクローゼットの外へと出た。

 リビングのソファーに腰掛けたヴィヴィに、朝比奈が白皮のジュエリートレイを携えて寄ってきた。

 スウェード張りのそこに置かれていたのは、ダイヤモンドとプラチナで創られた、シャンデリアを模したネックレスとピアス。
 
 ペア(洋梨)シェイプ・ブリリアンカット――通称 ティアドロップ(涙の雫)のカッティングは、細やかに施された58面体の輝きが素晴らしく。
 
 1つ10カラットのそれらがVラインに幾つも配置され、その周りを小さなダイヤが繊細な意匠を施されて飾り立てていた。

「これ……、どうしたの……?」

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