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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章              

 やがて10分のワルツが終わりを迎え、ラストは冒頭と同じく膝を折ってしゃがみこむ女子と、深く腰を折る男子がそれぞれ頭を垂れ、卒業生によるダンスは終了した。

 もうそれからは、客も入り乱れてのダンスパーティーに早変わり。

 DJが流すのもロック、ヒップホップ、US・UKヒットチャートだ。

 ヴィヴィもロンググローブに包まれた細い腕を振り回し、クラスメイト達と踊りまくった。

 途中2階に上がって立食を摘まみ休憩しながら、踊って1時間半を過ごすしていると、アナウンスが入った。

「ただ今から1階におきまして、卒業生が学園祭で発表した、リバーダンスの上映会を行います。皆様どうぞ揃ってお楽しみ下さい」

 照明が落とされプロジェクターで映し出されたのは、クラスメイトのテッドが撮り貯めてくれていた、ダンスの練習中や休憩中の動画を編集されたもの。

 わいわい楽しかった衣装合わせや、真剣に臨んだ講堂でのリハ。

 そして休憩中の皆が頬張っているのは、匠海の留学土産の英国のスウィーツ。

『双子のお兄様・匠海様~! お土産ありがとう~っ』

 そうカメラに向かって手を振るクラスメイト達と、

『麗しの匠海お兄様♡ ぜひ、このケイトを彼女に~っ!』

 無茶苦茶な事を喚くケイトを、血相を変えて止めるヴィヴィ。

『ケイトっ ダメだったらっ!』

『え~……、じゃあ、弟のクリスで手を打とうか』

 そう溜飲を下げたケイトに、突っ込むのは委員長。

『ケイト……。クリスにだって “選ぶ権利” があるという事を忘れるな?』

『どういう意味よっ!? 委員長~~っ!』

 もうはちゃめちゃな動画ばかりが流れる中、ヴィヴィはきょろきょろと匠海の姿を探し。

 少し離れたところでクラスメイトの兄達と談笑していた匠海は、いきなり自分の名前が呼ばれてネタにされ、口元に手を添えて苦笑していた。

 隣にいたカレンに手を引っ張られて振り向けば、リバーダンスの本番が流れ始めていた。

 アイルランドのドラム・バウロンが鳴り響く中、アレックスが見事なソロを踊りきり。

「でた! “どや顔” ――っ!!」

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