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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章              

 しかし匠海はちゃんと目撃していて、そして妹が他の男に抱かれ愛の告白を受けた事に憤慨している。

(そっか……。なんだ……、じゃあ、怒るの、当たり前か……)

 やっと匠海の一連の行動を図り知ったヴィヴィは、頭だけで匠海を振り返り、その険しい瞳を見つめてグロスに濡れた唇で誘った。

「お兄ちゃん……、ヴィヴィ、もう、お兄ちゃんが、欲しい……」

「…………、本当に……?」 

 そう確認してくる匠海に、ヴィヴィはこくりと首肯する。

「ん……。ヴィヴィが “お兄ちゃんの” だって、覚え込ませて……?」

「……――っ 力、抜いておきなさい」

 その忠告と共に、兄はヴィヴィの窮屈な膣口に、己のいきったものを捻じ込んできた。

 咄嗟に上半身を横たえている羽毛布団に縋ったヴィヴィだが、強引に割り開かれるそこは、やはり苦しくて。

「……っ くはっ ぁっ ……うぁ……っ」

 兄の体液が潤滑剤の役割を果たしていても、やはり少し引き攣れる膣壁と、何も受け入れていなかったそこからは、押し広げられる苦しさが襲ってくる。

 けれど、その胸の内は喜びのほうが勝っていた。

 これはもう『鞭』では無い事を、自分は知っているから。

 自分を深くまで貫いてくるのは、嫉妬に狂った可愛い自分の恋人。

(可愛い……。うん、可愛いの……)

 そう自分の心を結論付けたヴィヴィは、ふっと微笑む。

 あんなに美しい男なのに。

 だだっ広いオフィスのフロアでも、人でごった返したバンケットホールでも、跳び抜けて人目を惹く容姿を持っているのに。

 その内面はまるで駄々っ子の様に欲しがりで、甘えん坊で、独占欲が強くて――可愛い男。

「はぁ……、キツい……っ」

 妹のビスチェの腰を掴み上げながら、奥深くまで挿入して腰を止めた匠海のその声に、ヴィヴィのそこは更に兄を締め付けた。

「あっ こらっ ……待っ ―――っっ」

 きゅううと喰い締めるヴィヴィのそこで、びくびくと震えた兄の陰茎は、あっという間に暴発し。

 声にならない吐息と共に達した匠海の白濁は、まだ完全には潤っていないヴィヴィのそこを暖かく濡らした。

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