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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第105章
元クラスメイト達にも合格した旨をメールして速攻、皆から祝いのメールや電話が届き。
帰宅しても興奮冷めやらぬヴィヴィと、いつも通り冷静なクリスは、主達の快挙に誇らしげな使用人一同からも、お祝いの言葉を貰った。
久しぶりに思いっきり楽器に触れたヴィヴィは、その事にも大満足で。
そして月曜日なのに、いつもより早めに帰宅してくれた両親と匠海と共に、ディナーを囲めば、
「そうか~~。匠海と双子は、同窓生になるのか~」
しみじみ呟いた父の言葉に、子供達3人は顔を見合わせて微笑んだのだった。
そしてヴィヴィはというと、クリスをこっそり盗み見していた。
実のところ、クリスは幼い頃から、匠海を心から尊敬している様で。
だからきっと、東大に固執したのではないか――ヴィヴィはその時になって、ふとそう思った。
「よく頑張ったね、2人とも。お前達と同窓生になれるなんて、俺も本当に誇らしいよ」
心の底から湧き出る様な嬉しそうな微笑みと共に、そんな祝福の言葉を贈ってくれた匠海。
「兄さん……。ありがとう……」
それを受け止めたクリスの瞳には、とて満足そうな光が浮かんでいた。
22時には就寝支度を終えたヴィヴィは、そのまま匠海の寝室で何度も愛し合い。
幾度も祝福と労いの言葉を与えてくれる兄に、ヴィヴィはこれまで支えてくれた礼を言葉にした。
そして、
「言葉だけじゃなくて、態度でも示して? 俺を愛して――、ヴィクトリア」
そんな可愛いおねだりをしてきた匠海に、ヴィヴィは兄の上でまるで荒馬を乗り熟すかの様に跳ね。
匠海を目でも躰でも存分に悦ばせたのち、その全てを深いところで受け止めた。
日付が変わる頃、兄にバスルームへと連れて行って貰ったヴィヴィは、広いバスタブの中で匠海と向い合せに浸かっていた。
匠海の腰を跨いで向かい合って座らされ、時折ちゅっちゅと唇を啄まれ。
ヴィヴィはもう「天国にいるみたい……」と零すほど、すこぶる上機嫌だった。
うっとりと目の前の端正な匠海の顔を見つめれば、兄の灰色の瞳も優しげに細められていて。
「お兄ちゃん……、好きぃ」
可愛らしくそう囁けば、
「俺も」
すぐに返してくれる。