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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第105章
「ヴィヴィも! どっちがどっちに似てるのか、興味ある」
「じゃあ、今度はヴィヴィ達がうちに遊びにおいでよ。国別が終わったら、暇な時間出来る?」
黒目を大きく見せるカラコンを入れた円が、瞳をくるくるさせながら面白そうに発した言葉に、双子は互いの顔を見合わせる。
「ん~~、実は、結構予定、詰まってて……」
今日から11日後に開幕する国別対抗戦を終えたら、翌日が東大の入学式。
そしてその週からは、各スポンサーのCM撮影等、広報スケジュールが立て込んでいて。
次の週末は横浜でアイスショーがあり、その4日後には、双子は来シーズンの振り付けの為に、7日間も海外で過ごす。
簡潔にそう説明してみせたヴィヴィに、円は「じゃあ、GW明け以降じゃないと無理か~」と残念そうに呟いた。
「ん。でも、絶対に遊びに行くよ! あ、それと、これ、渡すの忘れるところだった」
ヴィヴィはそう発すると、テーブルの上に置いていた2通の封筒を手に取り、後ろに控えていた朝比奈に手渡す。
テーブルの向こう側で朝比奈から封筒を受け取った太一と円は、不思議そうに開封して中のカードを確認した。
「毎年バースデーパーティー、してるんだ。今年はちょっと忙しくて、誕生日後の5月8日(土)になるんだけど。2人にも来て欲しいなって!」
そう説明したヴィヴィに、円が満面の笑みで頷く。
「行く行くっ 絶対行く! わ~、楽しみ。何着てこう?」
「真行寺は、来れそう?」
少し離れた席からそう確認する匠海に、太一も微笑んで頷く。
「はい。喜んで参加させて貰います」
「あ! 真行寺さん、フィギュア好きだもんね? フィギュア関係者も結構来て下さいますよ。振付の宮田先生とか」
ヴィヴィのその言葉に、太一の顔がぱっと明るく輝く。
「えっ!? あの、宮田賢治さんも? うわぁ、それは物凄く楽しみだな」
太一は美しいものが大好きで、NHK交響楽団の定期会員だったり、水族館の年間パスポートを持っていたり。
そしてフィギュアスケートやバレエも好きらしく、ヴィヴィも匠海の紹介で彼とデートをした時、最後に質問攻めにされたくらいだ。