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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第105章
さっそくクラス毎に各教室を使い、オリエンテーションが持たれた。
男子24名、女子6名の計30名が各々自己紹介したのだが、やはりテレビ露出の多い双子が同じクラスという事に、メンバーからは驚きと喜びと、若干の戸惑いが伝わってきた。
そして、2年生の同じクラスの先輩たちから、オリ合宿(オリエンテーション合宿)の日程や行き先が発表された。
オリ合宿とは大学の授業が始まる前に例年行われる、2年生が引率するクラス単位の1泊~2泊の旅行。
双子のクラスは、2日後の3月31日(水)~4月1日(木)に、テニス合宿が予定されていた。
皆の連絡網を作ったりして解散となり、また熱烈なサークル勧誘を受けながらも、双子はリンクへと急いだのだった。
そして翌日、3月30日(火)。
8日後に迫る国別対抗戦のPRの一環で、双子は放映権を持つテレビ局にいた。
今年の日本の参加選手は、
男子シングル : 羽生結弦 篠宮クリス
女子シングル : 宮平知子 篠宮ヴィクトリア
ペア : 棚橋成美 マーヴィン藤堂
アイスダンス : マリア渋谷 アルフレッド渋谷
元テニスプレーヤーの松岡氏が進行役で、日本のスタジオと、カナダ拠点の羽生、アメリカ拠点のペアとアイスダンスと中継を繋ぎ “国別対抗戦 THE 座談会 2021” が催された。
と言っても、皆が平昌五輪の団体チームメンバーだったため、互いの暴露話やバカ話に終始した和やかなものだった。
しかし、最後はリーダーの羽生がビシッと纏めてくれた。
「3年前の五輪で着けたお揃いの指輪で、皆の心をひとつにし、必ずや優勝してみせますっ!!」
頼もしいリーダーの宣言に、皆が同じ金色の指輪をした手で盛大な拍手を送ったのだった。
その翌日、3月31日(水)には、クラスのオリ合宿に参加し――と、双子は連日大忙しだった。
さすがに1週間後に国別対抗戦を控えている為、双子は1泊2日のテニス合宿の1日目だけ参加した。
駒場キャンパスから貸切バスで移動した一行は、都内のスポーツレジャー施設で1年 vs 2年でテニス大会を行った。