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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第105章
ヴィヴィが今日こんなに眠そうなのは、匠海のせいでもある。
(だって、昨日のお兄ちゃん……。いつもに輪をかけて、しつこかったんだもん……)
ひらひらのミニスカートから剥き出しになったヴィヴィの細長い両脚に、大層ご執心だった匠海は、その後20分も頬ずりし、舐め回し、その細さを確認するように大きな掌で撫で回し。
『あん……、脚、ばっかり、やだぁ……っ』
そうヴィヴィが散々懇願しても、嬉しそうに脚ばかりを愛していたのだった。
やっと解放されたと思えば、今度はふわふわ素材に包まれたノーブラの乳房が、大層お気に召した様で。
『ヴィクトリアのおっぱい……。ずっと揉んでいたいくらい、柔らかい……』
『そ、んなに、しちゃ……、だめぇ~~っ』
甘い声で啼くヴィヴィに、兄はそんな意地悪を延々と続けてきたのだった。
よって寝不足のヴィヴィは、結局熟睡してしまい。
式が終わった頃に起こされ、双子が向かったのは武道館の正面玄関。
そこで牧野マネージャーと落ちあった双子は、BSTの卒業式と同様、マスコミの取材を受ける事になっていた。
大学入学の祝福の言葉がかけられ、双子は目礼してお礼を口にした。
そして、
「入学式を終えて、いよいよ東大生の仲間入りですね? 入学式は感動されましたか?」
レポーターのその質問に、マイクを向けられたクリスが発した言葉は、
「ヴィヴィが式の最中、ずっと寝てて。おかげであんまり感動はしませんでしたね」
卒業式に引き続き、また妹の恥ずかしい場面を暴露したクリスに、ヴィヴィは血相を変えて喚いたのだった。
「クリス……っ 言っちゃ駄目っ!!」
入学式も無事終え、いよいよ東大での授業が始まった双子だが。
同時にオフシーズンに突入という事で、常日頃支えてくれているスポンサー達に対して、色々とその責務を果たさなければならない時期だったりもする。
そう、CM撮影と製品発表会だ。
平日の昼から早退し、休日はもちろん終日撮影所に缶詰で。
そして4月24(土)~25(日)は、新横浜スケートセンターで行われた、プリンスアイスワールドというショーにゲスト出演したりと、慌ただしい大学生活をスタートしていた。