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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章
カメレンゴもOKしてくれたのだが、牧野マネージャーの言う事には、
「あの映画は、シャネルが衣装提供してるんだ。つまり、ヴィヴィの言う “ワンピース” のデザイン権利もシャネルが持っている」
牧野の助言を受け、ヴィヴィはデトロイト滞在中に、シャネル本店(フランス・パリ)にメールを送った。
・今期のFPに、映画のサウンドトラックを使う事
・衣装にココ=シャネルの着ていた服のデザインを用いたい事
その結果、2日後にはヘッド・デザイナーご本人から、メールが返って来たのだ。
『プログラムを見てからじゃないと、何とも言えないな』――と。
そして本日、テレビ電話を通じてカールの前でFPを滑ってみせたのだ。
(……で。ど、どうなんだろ……。デザイン、使っても、いい……?)
ヴィヴィのその心の中を見透かす様に、カールはにっと大きな唇で弧を描く。
「いいよ。君に、シャネルのデザインを使う許可を与えよう――無償でね? ただし、条件がある」
「……条件、ですか……?」
まるで勿体ぶる様に先を続けないカールに、ヴィヴィはそう呟いて先を促す。
「ああ。1つめは、僕にデザインをさせる事。2つめは、シャネルが衣装提供と、マスコミに公表する事――だ」
「……え……?」
ヴィヴィは戸惑いを隠せず、そう呟く。
2つ目の条件は当たり前だろうが、1つめの条件は腑に落ちない。
(デザインも何も……、あのワンピそのまんま、でいいんだけど……?)
そんなヴィヴィに、iPadの画面の向こうから声が掛けられる。
「あのワンピースは膝下20cmもある。君達がいつも身に着けている衣装は、脚の付け根までしかスカート部分がないだろう?」
「あ、はい」
なんとなくカールの言いたい事が分かり、ヴィヴィはこくりと頷く。、
「あのデザインをそのままトレースしても、良いものは創れやしない。私がデザインし直そう」
「Mr.ラガーフィルド。その……、お言葉ですが――」
そう間に割って入ったのは、ヘッドコーチのジュリアン。
「あの映画は、シャネルが衣装提供してるんだ。つまり、ヴィヴィの言う “ワンピース” のデザイン権利もシャネルが持っている」
牧野の助言を受け、ヴィヴィはデトロイト滞在中に、シャネル本店(フランス・パリ)にメールを送った。
・今期のFPに、映画のサウンドトラックを使う事
・衣装にココ=シャネルの着ていた服のデザインを用いたい事
その結果、2日後にはヘッド・デザイナーご本人から、メールが返って来たのだ。
『プログラムを見てからじゃないと、何とも言えないな』――と。
そして本日、テレビ電話を通じてカールの前でFPを滑ってみせたのだ。
(……で。ど、どうなんだろ……。デザイン、使っても、いい……?)
ヴィヴィのその心の中を見透かす様に、カールはにっと大きな唇で弧を描く。
「いいよ。君に、シャネルのデザインを使う許可を与えよう――無償でね? ただし、条件がある」
「……条件、ですか……?」
まるで勿体ぶる様に先を続けないカールに、ヴィヴィはそう呟いて先を促す。
「ああ。1つめは、僕にデザインをさせる事。2つめは、シャネルが衣装提供と、マスコミに公表する事――だ」
「……え……?」
ヴィヴィは戸惑いを隠せず、そう呟く。
2つ目の条件は当たり前だろうが、1つめの条件は腑に落ちない。
(デザインも何も……、あのワンピそのまんま、でいいんだけど……?)
そんなヴィヴィに、iPadの画面の向こうから声が掛けられる。
「あのワンピースは膝下20cmもある。君達がいつも身に着けている衣装は、脚の付け根までしかスカート部分がないだろう?」
「あ、はい」
なんとなくカールの言いたい事が分かり、ヴィヴィはこくりと頷く。、
「あのデザインをそのままトレースしても、良いものは創れやしない。私がデザインし直そう」
「Mr.ラガーフィルド。その……、お言葉ですが――」
そう間に割って入ったのは、ヘッドコーチのジュリアン。