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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章               

 にっこりと人懐っこい笑みを浮かべるヴィヴィ。

 瞳をキラキラと輝かせる円。

 そして、無表情のまま明後日の方向を見やるクリス。

 それぞれの心の中は、てんでバラバラなのだった。








 5月16日(日)――五月祭の2日目。

 にも関わらず、篠宮3兄妹と真行寺兄妹は、リムジンで鎌倉へと向かった。

 目的地は、荏柄天(えがらてん)神社。

 兄達が弟妹の東大合格を祈願し、受験生に人気の “合格梅守” を買いに来てくれた神社だ。

 受験が終了し、ヴィヴィがお守りをどうしようかと思っていた時、

「お守りは感謝の意を込めて、頂いた神社へお戻しするのが通例ですね」

 朝比奈のその助言を受け、匠海にお願いしたのだ。

 3人は「「「ありがとうございました」」」とお守りにお礼を述べて神社に返し、後で篝火のお焚き上げをして貰った。

「ヴィヴィ、おみくじひく!」

 青と白のギンガムチェックのシャツに白のショートパンツを纏ったヴィヴィが、そう言いながらおみくじ売り場に てててと走って行くのを、保護者然としたクリスが「転ばないでね……」と後ろから追い駆けて行く。

 双子の様子に笑いながら付いて来た3人の前で、ヴィヴィは真剣な表情で、木製で6角形のおみくじ入れを回していた。

「31番~~っ」

 何故かハイテンションで31番の箱を開いたヴィヴィは、その中から1枚抜き取って黙読し始めた。

 あまりに真剣に読んでいたので、

「ヴィヴィ~、何吉だった~?」

 という円の問いにも気付かず、隣から覗き込んだクリスが「末吉……」と代弁していた。



 はなされし かごの小鳥の とりどりに

 たのしみおおき 春ののべかな



 籠の中にいた小鳥が放されて 自由に飛び歩くように、

 苦しみを逃れて 楽しみの多い身となる運です。
 
 世の為人の為に尽くしなさい。

 幸福(さいわい)まして 名も上がります。



 他にも各項目の注意書きが書かれていたのだが、ヴィヴィは次の4点に目を止めた。



 願望 : 他人を助けよ 人の助けにて叶います

 商売 : 利益相当あり

 学問 : 雑念多し 全力を尽くせ

 恋愛 : 深入りするな

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