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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章
(深入り、するな……?)
ゆるく巻いてラフにふた括りにした金色の頭が、こてと倒れる。
その様子に、クリスがぼそりと突っ込んだ。
「いいじゃん……。大凶じゃ、なかったんだから……」
妹が大吉でなかった事に不満を持っているのだと思ったらしいクリスのその言葉に、ヴィヴィは正月の一件を思い出し苦笑した。
「そだね。クリス、もう一回ひいたら?」
「……冗談。また大凶出たら、立ち直れない……」
がっくりとうな垂れるクリス。
その隣でスマホでおみくじを写真に収めたヴィヴィは、半分に折って切り取りクリスに渡し、正月と同じ様に樹に結び付けたのだった。
「良い一年に、なりますように」
そう祈るヴィヴィに、
「いや、もう、5月末だし……」
円が後ろから突っ込んだ。
その直後――、
「ひぃぁああっ!?」
突然そう細い声で叫んだヴィヴィの背後には、円が立っていて。
そして何故かその両掌は、ヴィヴィの白いショートパンツ越しに、お尻をわし掴みにしていた。
「ま、マドカ……? なにぃ~~?」
(な、なんで、ヴィヴィのお尻、触るの……?)
「ん~~、前から思ってたんだけどさ。ヴィヴィって、いいお尻してるなあって」
「ひゃっ!? ……ふぇ……?」
もにゅっとひと揉みされて、さすがに円から逃れたヴィヴィは、隣で呆れた表情を浮かべているクリスにその半身を隠す。
「やっぱり英国の血が濃いからだろうな~? ほら、日本人のお尻って、扁平じゃん?」
「そ、そう……?」
全く悪びれる事無くお尻を分析する円に、ヴィヴィはクリスの長身の後ろで自分でも触ってみるが、よく分からなかった。
「それに比べて、ヴィヴィのお尻は小っちゃいけど、上向きで見事な “ぷりっケツ” 。いいなぁ~」
グロスで艶々の唇を尖らせてそう羨ましがる円に、ヴィヴィは目を白黒させるばかり。
「ぷ……っ ぷり……っ!?」