この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章               

「ウィンドブレーカー、来週の部練で渡すな!」

 石渡のその言葉に双子は頷く。

「じゃあ、その週末にある “春の関カレ” で、先輩達は着る事、出来ますね?」とヴィヴィが。

「僕達も、Art ON Iceで、着れるね……?」とクリスが。

 その双子の返事に、石渡は縁なしメガネの奥の瞳を細めた。

「お~~いっ OB呼んでるから、とっとと行くぞ~!」

 4年の先輩に羽交い絞めにされた石渡と皆に挨拶すると、双子は松濤のリンクへと向かい。

 ちょっと食べ過ぎたカロリーを消費すべく、1時間半滑り込んだのだった。

 屋敷に帰ると、匠海が少し心配そうに双子を出迎えてくれた。

「アルコール、飲んでないよな? ビールやタバコ片手に写真なんて、撮ってないな?」

 兄のその確認に、双子はこくこくと頷いてみせる。

「そうか……。用心に越した事は、無いからね?」

 まるで自分の事の様に心配してくれる匠海に、双子は「「うん、ありがとう」」と礼を口にする。

 昨今、TwitterにFacebookといったSNSの普及で、たった1枚のそういった写真で、マスコミにまで飛び火する大騒動になる恐れがある。

 それは部の上級生達も顧問も良く理解していて、今日撮った写真もテーブルのビール瓶が映り込まない様、気を使って撮って貰った。

「………………」

(……周りに気を使わせちゃって……。なんか、申し訳ないけど……) 

 クラスメイトから聞いた話によると、サークルでは未成年だろうが、新入生は上級生にお酒を強要される事が通例らしく。

 自分達のせいで、スケート部のそういう慣習も立ち消えたとしたら申し訳ない、とヴィヴィは思ったのだった。 




/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ