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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章
「髪、乾かせなくなるから、まだダメっ」
ヴィヴィは確かにそう忠告したのに、広いバスルームで匠海はその華奢な躰を撫で回し。
次第に甘い声を上げ始めた妹に興奮した兄は、その静止を訊かずに蕩け始めたそこに分け入ってきた。
「もうっ ダメって、言ったのにぃ……っ」
「だって、ヴィクトリアの可愛いお口が、解れてたから」
大きなバスタブの中で、向かい合わせで繋がった兄妹は、互いにそう言い募る。
「ねえ、もしかして、朝からずっと期待してた? ここに着いたら、すぐにエッチしたいって思ってた?」
「……~~っ そ、そんな事っ」
意地悪なその問いに、真っ赤に頬を火照らせたヴィヴィは、口では否定するが、
「そうかな? ほらここは、とても嬉しそう」
細腰を掴んで小刻みに互いの粘膜を擦り合せるその動きに、膣粘膜は確かに太いものに纏わりついていた。
「はぅっ ぁ、あんっ ……ダメぇ~~っ」
水面が激しく波打つ音と、響く自分の嬌声。
制止するヴィヴィにも構わず、匠海は早々にその躰を追い上げていく。
逞しい兄のものを待ち侘びていたヴィヴィの蜜壺が、歓喜に打ち震えてじわじわと匠海を締め上げ。
堪らず目の前の匠海の首に縋り付いたヴィヴィを、兄は掴んでいた腰を離してぎゅうと強く抱き寄せた。
「愛しているよ、ヴィクトリアっ」
「おにいちゃぁん……っ おにいちゃぁああんっ」
内も外も兄を感じながら、ヴィヴィは我を忘れてその名を呼ぶ。
確かに篠宮邸では2人の部屋は隣り合っていて、会いたければすぐに会えて。
互いに忙しい2人でも週に1回は躰を重ね合わす事も出来て、ヴィヴィはそれだけでも充分満足している。
だが、ここにいる、葉山の別荘にいる2人は、やはりいつもとは違う。
家族や使用人の前では、兄と妹として過ごす――その制約が、ここには存在しない。
どれだけじゃれ合っても、どれだけ抱き合っても、誰にも邪魔されないし、誰にも咎められない。
恋人同士なら普通に出来る事を、ここでは自分達にも許される。
その事が途轍もなく幸せで――。