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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章               

 少し緩められた抱擁に、物足りなさそうに唇を尖らせたヴィヴィに、匠海は笑いながらその唇を奪う。

 初めはまるで小鳥の様に啄み、そして少しずつ深く重なり合う。

 妹をその腰の上に乗せている兄が、下から噛み付く様に舌を絡ませてきて。

 その激しさに一瞬躊躇したヴィヴィを、匠海は肩と腰をがっしり掴んで離さなかった。

 弱い上顎を舐められて、絡めた舌を甘噛みされて。

 そのくすぐったささえ感じる刺激は下に降りると、途轍もなく甘美な刺激に変換される。

 固く貫いている兄自身に、柔らかく纏わり着く自分。

 その関係性にうっとりとしていた時、膨らみの先の尖りが逞しい胸に潰され、ヴィヴィの奥がきゅうと縮み上がった。

 唇をゆっくりと離した匠海が、火照った小さな顔を覗き込みながら虐めてくる。

「今、凄く締まったね? どうしたの?」

「あ……、な、何でも、ない……」

 恥ずかしくて誤魔化したヴィヴィに、何でもお見通しの匠海は抱き寄せていた両腕を解き、妹の双丘に大きな掌を這わせる。

「ひゃぅんっ!? ぁ……っ あぁん、あっ すきぃ~~っ」

 乳房全体を揉み解されながら、時折尖りを摘まんで引っ張られて。

 その度に兄を締め付け、その硬さを味合わされる。

「ん? 好き?」

「……っ おにいちゃんの、手……、ぁんっ はぅっ あっ だいすきっ」

 大きくて細く長い兄の手は、触れると意外とごつごつしていて。

 血管の浮き出た手の甲に、すっぽりと覆い隠されてしまうほど小ぶりな自分の乳房との対比は、物凄く哀しいけど、でもなんだか嬉しくもある。

 頼りない抱き心地の悪そうな自分の躰が、大きな匠海の掌に全て包まれていて、「全て預けていいんだよ」と言われてるような安心感を与えてくれる。

「手? 違うだろう、ヴィクトリアは乳首摘ままれると、締め付けちゃうんだよな?」

 そう意地悪を言ってくる匠海に、ヴィヴィはふるふると頭を振って抵抗するが、やっぱり気持ち良くて。

「ひうっ は、はぅん……っ ダメ、それ、……っ ぁ……っ しま……っ」

(締まっちゃうから……っ お胸も弄られたら、イっちゃうからぁ~~っ)

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