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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章               

(だ、だって……。ヴィヴィの中、もう、覚えてるんだもん……っ)

 バスタブの中で銜え込まされた、あの長さ・太さ・硬さ。

 そして、切なそうに喘ぐ、兄の吐息の熱さを。

 だからベッドに移動したらすぐに――と思っていたのに、30分も飼い殺された状態に置かれ、ヴィヴィは気が狂いそうだった。

「おねがいっ も、もう……、欲し……っ」

 この言葉を今日は幾度口にしただろう。

 ようやく妹のそこから顔を上げた匠海に、ヴィヴィは心の底から安堵した。

 そして力の入らない両腕を持ち上げて、上に覆い被さってきた匠海に伸ばす。

 首にじゃなくて、その脚の付け根に。

 ヴィヴィはたまにこうやって兄に触れる事を欲し、匠海も妹の思う通りにやらせていた。

 ただ、舐めさせてくれるのは、大体いつも1分あるかないか――だが。

 指先に触れた感触に、一瞬躊躇して引いたヴィヴィは、また指を這わす。

 今まで触った中でも凄く硬くて、張りつめていて、熱い。

 そしてその鈴口からは、もう透明な蜜がとろりと垂れていた。

(な、何でそんなに……、そこまでして我慢するの……?)

 そこが良く解らないヴィヴィが内心首を傾げていると、その金色の頭を匠海が手櫛で整えてくれていた。

「ヴィクトリア、そんなに泣いて……。俺のこれ、早く欲しい?」

「……ん……、ほしい、よっ」

 泣き腫らした目元に唇を寄せてくる匠海に瞳を細めながら、ヴィヴィは亀頭の割れ目に指の腹を這わせる。

 ねっとりと粘液が絡み付くそこに、人差し指を押し付けて優しく擦ると、にちっと音がして。

 びくびくと腰を震えさす匠海が可愛くて、もう一度それを繰り返せば、昂ぶりを愛していた両手を掴まれて顔の傍で拘束された。

「悪い子だっ そんな事、いつの間に覚えて……っ」

「きもち、い……?」

 誰かに聞いた訳では無いのだが、匠海はそこを触れられると一番大きく反応する気がして。

「ああ。ここは男が一番敏感な場所、なんだよ? だから、あんまり弄っちゃ駄目」

「………………はい」

 自分は妹の一番敏感な場所を弄り倒すくせに、何だか不公平だなぁ……、と思いながらも、ヴィヴィは大人しく頷いておいた。

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