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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章               

「うん、お前を長く愛したいから、ちょっと我慢してた。今度は俺も、一緒にイっていい?」

 小さな顔中にキスを落としながらそう本音を零した匠海に、ヴィヴィは勿論、こくりと頷く。

「うんっ ……えっと、次は、激しくても、大丈夫……っ」

 そう兄を誘惑した妹に匠海はふっと笑い、その華奢過ぎる腰の下に枕を幾つか挟み込んだ。

「苦しかったら、言うんだよ?」

 その忠告と共に、匠海は細腰を掴み上げて、膝立ちで己を打ち付け始めた。

 ぷちゅっ ぐちゅっ ぶちゅっ 

 激しい姫音に混じり、ヴィヴィのか細い嬌声が寝室に響く。

 その音は更に激しくなり、ぱんぱんと互いの肉を打ち付け合う音へと変化していく。

 揺れる視界の中、ヴィヴィは縋り付く様に兄を見上げていた。

 さらさらの黒髪が額を覆い、その下の彫りの深い切れ長の瞳は、ヴィヴィの顔から兄妹の結合部の間を行ったり来たりしており。

 大きめの唇は弛緩していたかと思えば、くっと引き結ばれ、何かに耐えている様で。

「おっ おに……、ちゃっ あっ あぁ」

「ヴィク、トっ……アっ はぁっ 凄く、締まってっ」

 そう喘ぐ兄の表情は、もう滴り落ちる程の色香を滲ませており。

「……――っ」

(か、かっこぃ……っ)

 ぽうと見惚れたヴィヴィの奥底が、徐々にうねり始める。

 それはきっと女としての本能。

 目の前の優れた男の遺伝子が欲しい――そんな、シンプルな生殖本能。

「お、にぃっ ちゃ……っっ」

 引き締まった体躯に縋り付きたいのに、両腕を伸ばしても兄の胸には届かなくて。

 唯一届いたのは、自分の腰を高く抱え上げる兄の両腕。

 震える指先で筋の浮き出た両腕を掴めば、腰の皮膚に兄の指がぐっと食い込む。

「出るっ 奥に……っ 奥に、出すよっ ヴィク、トリア」 

「……っ うん、あぁっ はぅ……、ちょう、だいっっ」

 ヴィヴィの願いを聞き届けた直後、匠海は最奥に亀頭を捻じ込む。

 ぐっと持ち上げられる苦しさに「ひっ」と悲鳴を上げた直後、兄は最奥で爆ぜた。

 とぷとぷと注ぎ込まれる白濁に、敏感な子宮口が温かく濡らされる感触。

「んんっ んぁ……っっ ~~~っ!!」 

 咽喉を鳴らして金色の頭を振り乱すヴィヴィの最奥に、匠海が柔らかな亀頭の先を執拗に擦り付けてくる。

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