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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章
「はぁ……、堪らないっ」
怠惰な台詞も匠海が発すると、厭らしさよりも色香が浮き立つ様で。
ヴィヴィの滑らかな背筋を、ゾクゾクと何かが這い上がって行く。
(やぁんっ 凄く、色っぽいの……っ)
そんな男としての魅力たっぷりの兄に、こうやって組み敷かれている自分が、何だか途轍もなく恥ずかしくなる。
ヴィヴィは咄嗟に伸ばした腕で羽毛布団を掴むと、抱き込んで横たえられたままの上半身を隠した。
「……ヴィクトリア……?」
急に意外な反応を見せた妹に、そう不思議そうに声を掛けてくる兄に、ヴィヴィは羽毛布団の隙間から見上げながら言い募る。
「は、恥ずかしく、なっちゃっ た……っ」
「……は……? 恥ずかしい? 今更?」
兄のその言い分はもっともで。
さっきまでお風呂で躰の全てを洗って貰い、30分も掛けて愛撫を施されたのに、今更「恥ずかしい」とは。
けれどヴィヴィを生まれた時から知っている匠海は、コロコロその気分や話題が変わる事など、慣れっこの様だ。
「ふうん……。じゃあ、もっと恥ずかしい事、しようか?」
そう言い渡してきた匠海の顔には、にたあと恐ろしい笑みが浮かんでいた。
「…………え゛…………」
変な声を上げて固まってしまったヴィヴィを、匠海は軽々と抱き上げてベッドを降り、その前に据えられた大きな鏡台の前に連れて行き――。
それから起こった事は……、筆舌にしがたいので、割愛する。
そして抱き潰されて気を失ったヴィヴィが、翌朝 目を覚ました途端、襲いかかって来た匠海は、その後も本当に宣言通りに妹の躰を求め続け。
昼過ぎ――やっと帰宅時間になって、兄から解放されたヴィヴィが、カスカスの声で一言。
「……し、死ぬぅ……(°ཀ°;)グフゥ」