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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第106章               

 金曜 : 夜公演

 土曜 : 昼・夜公演

 日曜 : 昼公演

 出場選手は、

 男子シングル : 羽生結弦、篠宮クリス、宇野昌磨、ジュニアの4名

 女子シングル : 宮平知子、篠宮ヴィクトリア、本郷理花、ジュニアの3名

 アイス・ダンス : マリア・渋谷 & アルフレッド・渋谷

 ペア・スケーティング : 棚橋成美 & マーヴィン藤堂

 シンクロナイズド : 神宮Ice Messengers Grace

 ゲストスケーター : 村下佳菜子、マキシム・コフトゥン(ロシア)、ハン・ヤン(中国)

 ヴィヴィが披露したのは勿論、母ジュリアンと振り付けた『What a wonderful world』。
 
 氷上に置かれたラジカセから「ガガっ ザ~……」と鳴り響く、ラジオのチューニングを合わせるヴィヴィ。

 スポットライトに照らされるその姿は、ライラックピンクのベアトップの衣装を纏っており、胸上から腰下までは黒のレースで覆われており、胸下に黒のリボンのアクセントがある。

 金色のポニーテールがぴょこんと起き上がると同時に鳴り始めたのは、トロンボーンとクラリネットの柔らかな音色。

 そしてリズムセクションの、ピアノとドラム。

 古いラジオから聞こえて来るその調べは、ルイ=アームストロングがしゃがれ声で謳う『What a wonderful world』。



『緑鮮やかな木々

 赤く色付いた薔薇


 私達のために 咲き誇る花達を見ていると

 しみじみ思うよ

 なんて素晴らしい世界なのだろうと


 澄み渡る青い空

 真っ白な雲

 輝く美しい昼も

 暗く聖なる夜も


 しみじみ思うよ

 なんて素晴らしい世界なのだろうと』



 そこへブツリと回線を切り替える音。

 そして流れ始めたのは、ボサ・ノヴァの『What a wonderful world』。

 クラシック・ギターの軽快な和音と、ボサ・ノヴァを刻むコンガ & ボンゴのラテンパーカッション。

 そして女性のしっとりとした歌声。

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