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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第107章           

 映画のあらすじは――、

 1913年、パリ。

 シャンゼリゼ劇場では、ロシアの作曲家イゴール=ストラヴィンスキーが、自作のバレエ音楽 “春の祭典” の初演を迎えていた。

 来場していたデザイナーのココ=シャネルは、まるで催眠術にでもかけられたかのような恍惚感を覚える、が。

 あまりに斬新かつ急進的すぎるその新作に、怒った観客達はヤジを飛ばし、あざ笑い、騒乱まで巻き起こす。

 自信作の “春の祭典” を酷評されたストラヴィンスキーは、ただただ意気消沈。

 7年後の1920年。

 すでにデザイナーとして富と名声を手にしながら、初めて心から愛した男、アーサー “ボーイ” カペルを事故で亡くし、シャネルは悲しみに暮れていた。

 一方、ストラヴィンスキーはロシア革命を経た後、全ての財産を失い、難民となりパリで亡命生活を送っていた。

 そんな中、2人はミシア=セール(社交界の華)とセルゲイ=ディアギレフ(ロシアの芸術プロデューサー)の計らいで出逢う。

 ストラヴィンスキーの才能に惚れ込んだシャネルは、彼が仕事に打ち込めるようにと、所有する自分のヴィラで暮らすよう提案する。

 彼は4人の子供と、肺病を患う妻カトリーヌを連れ、シャネルのヴィラへと移り住む。

 至高の芸術を求めるシャネルとストラヴィンスキーは、たちまち恋に落ちる。

 互いを刺激し、高め合い、心を解放し、悲しみさえも活力に変えていく。

 その恋は、2人の中に眠っていた新たな創造力を次々と開花させた。

 「女性そのものを感じる香りを創りたい」と、初めての香水創りに魂を注ぐシャネル。

 そして “春の祭典” の再演に命を賭けるストラヴィンスキー。

 結局、不倫関係がばれ、子供と共にヴィラを出ていく妻。

 “N°5” を創り上げたシャネルと、 “春の祭典” の再演を成功させたストラヴィンスキー。

 2人の恋は、やがて終わりを迎える。

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