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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第107章           

 フルートとヴァイオリンが奏でる不気味なワルツが鳴り響く中、ゆらりと身体を起こしたクリスは、骸骨を愛おしそうに胸に掻き抱く。

 細身で長身の身体に映える黒のタキシードは、右半身だけスワロフスキーでアバラ等の骨が刻まれていた。

 ワルツに乗せてうっとりと、骸骨とホールドを組みながら踊り始めたクリス。

 骨の擦れ合うかちゃかちゃという音と、オーケストラの木琴(シロフォン)の固い音が共鳴する。

 そこに現れたのは、黒マントを脱ぎ捨てたヴィヴィ。

 黒いホルターネックの左半身は、大きな十字架の形に抉り取られた肌が覗き、それらを象るスワロフスキーの輝き。

 むき出しの肩には大きなクモの巣が張り巡らされ、裾はまるで引き裂いた布地の如く、ヒラヒラが膝上まで延びていた。

 クリスの傍に寄ったヴィヴィが、その肩をぽんぽんと叩いて振り向かせ。

 「それ、ヴィヴィじゃないよ?」とでも言いた気に、骸骨と自分を交互に指差す。
 
 場内に笑い声が上がるのに、内心ガッツポーズし。

 クリスが近くの観客に骸骨を預けると、渡された中年の女性は、瞳を♡にして彼を見つめていた。
 
 ワルツのホールドを組んだ双子は、3拍子の円舞曲に乗せながら、うっとりと微笑み滑り始める。

 まるでBSTの卒業プロムを彷彿とさせる様に、腕の中で妹を回転させたり、腰を軽々と掴んで持ち上げたりと楽しそうなクリス。

 2人で深いステップを踏んでホールドを解き、各々助走に乗って飛び上がったのは、お馴染みの3回転アクセル。

 大きな拍手と歓声を聞きながら、双子は広いリンクを交差しながら、激しいステップを踏んでいく。

 美しいスパイラルを披露するヴィヴィを、後ろから追いついたクリスがその腰を絡め捕り、タキシードの背に乗せて一回転させ、膝の上に軽々と載せるリフトを披露する。

 実はこのリフト、初の試みで。

 振付のプロ・アイスダンサーのロード姉弟に、何度も何度も手直しを受けながら教わったもの。
 
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