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第107章 　 　 　　　 　　

　アイスダンスのマリア渋谷と同室のヴィヴィは、彼女の兄・アルフレッド渋谷と一緒に、動画を撮りまくっていた。

　渋谷兄妹の趣味が動画投稿で、YouTubeに　“シブシブズ”　名義でＵＰしては楽しんでいるのだ。

　毎年恒例と化した、シブシブズPresents、ＴＨＥ　ＩＣＥの舞台裏動画。

　そして、双子が『死の舞踏』で用いた　“骸骨クン”　から派生して、何故か毎夜　“納涼　怪談大会”　が開催され。

　怖がりのくせに、お国柄が出る怪談話を聞きたがったヴィヴィは、毎夜、

「う゛ぇぇ……っ　怖くて、１人でトイレ、行けないよ゛ぉ～～っ　(ﾉω･､)」

　と、同室のマリア渋谷に、泣き付いては困らせたのだった。






　名古屋公演は、２日間。

　８月７日（土）　：　昼・夜公演

　８月８日（日）　：　昼公演

　地球博記念公園（モリコロパーク）の会場には、なんと両親と匠海が駆け付けてくれた。

　いつも以上に張り切った双子は、双子プログラムではアドリブ満載で会場を沸かし。

　振付のロード姉弟と誓った、　“お客さんを思いっきり驚かせる！”　のコンセプト通りに、計４日間・６公演を演じ切ったのだった。

　「いやぁ、本当に楽しかった！　ロード姉弟には、お礼しなきゃなあ～」と、父グレコリーが。

　「ちょっと、デス・スパイラルがもたついてたけど……。まあ、受けてたから、いっか！」と、母　兼　コーチのジュリアンが。　

　「ははっ　あはははっ」と、終始　腹を押さえて笑っていた匠海。

　大満足の様子の双子の頭を、「偉いえらい、いっぱい頑張ったな？」と、それぞれ撫でなでしてきた長男。

　ヴィヴィは、にんまりし「真緒ちゃんに、「盛り上げてくれてありがとう」って言って貰えた～♡」と、嬉しそうに撫でられ。

　クリスは、「もう、大学生なんだから……」と、恥ずかしそうに撫でられていたのだった。