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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第107章           

 バトラーに手伝って貰い荷物を片すと、一家は先ほどチェックインしたインペリアル・クラブのラウンジへと向かった。

 篠宮家と、ロンドンの父の親族・オーウェン家と、エディンバラの母の親族・ワイアット家――3家合同のこの旅行。

 父は3人兄妹で、その子供と祖父母を合わせると、総勢12名。

 母は4人兄弟で、その子供と祖父母を合わせると、総勢16名。
 
 篠宮家が5名なので、TOTAL33名。

 ただ、それだけの大人数が、同じ時期に休暇を取って勢揃いするのは、極めて困難で。

 それぞれ滞在時期はずれるものの、30名はここに集えることになっている、らしい。

 ラウンジには、今ここに滞在している親族が、ぞろぞろと集まり始めてくれていて。

「グランパ、グランマ~~っ!!」

 ヴィヴィは弾ける笑顔で、父の祖父母の元に駆けて行き、ハグをし。

 母の祖父母にも、熱烈なハグをした。

「やあ、よく来たね」

「兄さんは? どうせ、ビーチで飲んだくれてるんだろう?」

「ちょっと、あなた、太ったんじゃない?」

 それぞれが1年ぶりの再会を喜び挨拶を交わす中、

「きゃ~~っ! ヴィヴィっ 久しぶりっ!!」

 そう叫びながらラウンジに駆け込んで来た従姉妹のサラに、ヴィヴィは満面の笑みで走り寄り。

 がばっと熱い抱擁を交わして、再会を喜ぶ。

「サラ! もう結構、いい色に焼けたね~?」

「そりゃそうよ。だって、1週間前に到着したもの」

 英国の両家は、叔父叔母達も長い夏のバカンスを取れるので、なんと3週間~4週間単位でここに滞在するという。

「い、いいなぁ~~……」

 7泊8日の滞在予定のヴィヴィは、心底羨ましそうにそう呟いたのだった。

 そのままホテルのレストランでランチを採った皆は、ある者はビーチへ、ある者はプールへ、ある者はスーク(市場)へと、それぞれ別れ。

 双子と匠海は水着に着替え、とりあえずプールへと向かうことにした。

 なにしろこのホテルは、

 伝説の大陸 “アトランティス” の世界が展示された「ロストチャンバー水族館」。

 ウォーターパークの「アクアベンチャー」。

 イルカと触れ合える「ドルフィン・ベイ」。

 巨大水槽に泳ぐ多くの魚たちが見られる「アンバサダー・ラグーン」など。

 ドバイらしい豪華施設が揃っていた。

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