この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第107章
そのままベッドに降ろされて、伸し掛かってきた兄に背中を支えられながら、ヴィヴィの躰が白いシーツの上に横たえられる。
「アバヤ着てるヴィクトリア、色っぽい……」
首筋に唇を押し付けながら、そう囁いてくる匠海の吐息が物凄く熱くて。
擽ったそうに身じろぎした妹を、兄は感触を確かめるように掌で辿り始めた。
細い肩のライン、控えめに盛り上がった乳房、その下の薄い腹。
柔らかく撫でられるだけのそれが何だか物足りなくて、ヴィヴィは自分も両手を伸ばして兄に触れた。
咽喉仏の浮き出た男らしい首、男性特有の筋肉の浮き出た肩のライン、逞しく引き締まった胸筋と腹筋。
掌に伝わる布越しの感触でも、十分気持ち良くて。
けれど匠海は纏っていたシャツの裾を掴むと、ゆっくりと脱ぎそれを床に放った。
何度見ても美しく均整の取れた体躯。
英国人の血を1/4しか引き継いでいないのに、兄の肌は日本人のそれより白い。
その肌が今は綺麗な小麦色に日焼けしていて、それがより一層、逞しさと色気を醸し出していた。
また兄の胸に掌を這わせたヴィヴィに、匠海は嬉しそうに微笑んで見下ろしてくる。
「お兄ちゃん……。いい色に、なったね」
「ヴィクトリアは、どうかな?」
胸前のボタンを外していく匠海は、なんだかプレゼントの包みを開ける子供の様に楽しげで。
開かれたアバヤの中から現れた、キャミワンピから覗く肌に、切れ長の瞳がふっと細まる。
「ヴィクトリアも、ほんのりピンク色だ……」
匠海が発した通り、黒いアバヤの布地と薄紅色に日焼けした柔肌のコントラストは、まるで「私に触れて?」と誘う様に艶やかだった。
「可愛いね」「柔らかくて、気持ちいい」そう妹を誉めながら撫で擦る兄の手付きは、徐々に厭らしいものになり。
(や、やっぱり、するんだよね……。えっち……?)
久しぶりの兄の掌に、自身も早々に気持ち良くなり始め。
しかしヴィヴィは、冷静な内にきちんと言葉にしなくては――と、恐るおそる薄い唇を開く。
「えっと……、い、1時間だけ……だからね?」
「1時間……?」
そう返された匠海の声は、少し不服そうで。