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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第107章
そこでクロールを泳いでいた、10歳以上年上の従兄のヒューに、「構ってかまって」と纏わり付いた。
バタフライの泳ぎ方を懇切丁寧に教えてくれたヒューには、昔から完璧主義なところがあり。
その教え方は、徐々にスパルタになって行く。
「ちがうっ 腕の回し方はこうっ こうだ!」
白熱してくるヒューから、ヴィヴィは「ひぇええ~~っ」と悲鳴を上げて早々に退散したのだった。
プールから上がったヴィヴィがカバナに戻ると、スマホが ちかちか点滅していて。
もしやと思いロックを解除してみれば、やはり匠海からメールが届いていた。
『 俺は
ヴィクトリアの 解体新書 作りたい 』
なんだか5・7・5の響きを感じさせるその殺し文句に、灰色の瞳が驚きで真ん丸になり。
「……~~~っ!!!」
細い躰をくねくねとくねらせ、傍目に見ると少し気持ち悪いくらい身悶えた。
(いやぁんっ ヴィヴィ、お兄ちゃんに腑分け(解剖)されちゃう~♡)
そう恐ろしい事に萌える、ヴィヴィなのであった。
※解体新書 : 杉田玄白らによる解剖翻訳書。
“処○膜” という言葉は、これの翻訳時に作られたんだって(笑)