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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第108章          

「ぁっ ……、んぁあ~~ッ あぅ、……はぁンっ」

 少し苦しげにも聴こえる喘ぎが、寝室の中に響く。

 漆黒のキングサイズのベッドには、ずり落ちそうな羽毛布団と、激しい行為を物語る皺の寄ったシーツ。

 大小のクッションが散らばったそこには、声はするのに兄妹の姿は無く。

「~~っ!? そ、れっ だ、だんめぇ……っ あっ やぁっ ャあ~~っ」

 切羽詰まった掠れ声は、寝室の隅から聞こえていた。

 遮光カーテンの引かれた窓際に置かれた、一人掛けのソファー。

 そこに寝かされたヴィヴィは、両膝を抱えられ、上から伸し掛かった匠海のものを受け入れさせられていた。

 背凭れに頭を預けたその状態では、自分の薄紅色の膣口に深々捻じ込まれている、匠海の陰茎が丸わかりで。

 激しい注挿で泡立つ結合部の上、小さな尖りを指で弄られると、自分の薄い陰唇が悦んでひく付いているのが見て取れた。

「嫌っていう割には、凄い事になってるけれど?」

 腰を止めたままの匠海は余裕で、言葉でも妹を苛めてくる。

「や……めっ てぇ~……っ ぁああんっ 壊れちゃうぅ~~、ヴィヴィ、こわれっ る……ッ」

「壊れないよ。ヴィクトリアのここは、美味しそうに俺のペニスをしゃぶってる」

「……~~っ やぁああっ」

(そんな、卑猥なこと、言わないでぇ……っ)

 金色の頭を振ろうとするものの、ソファーの背凭れとの間で髪がぐしゃぐしゃになってしまい。

「ねえ、ヴィクトリア。突いてあげようか?」

「……っ だ、だめぇ~~っ」

「どうして? クリ弄りながら、お前の悦いところ、突いてあげるよ?」

 兄の言葉に、そうされた時の堪らない快感を思い出し、ヴィヴィの中がぎゅううと窄まる。 

「ぁあああっ あぅう……っ だ、ダメ……、ダメダメ……っ」

 狂った様に蠢く膣粘膜が、嫌というほど兄の逞しい陰茎の形を脳裏に伝えてくる。

 太い。

 途轍もなく太くて、それを食む様に貪る自分の窮屈さで、腰が砕けて壊れてしまいそう。

 けれど、今動かされたら、たぶんすぐに達してしまう。

 それも、意識を飛ばしかねないほどの、大きな絶頂で。

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