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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第108章

「俺のペニス、じゃなくて、俺を見てっ」
そう懇願され、ヴィヴィは焦点もおぼろげな瞳を、兄の端正な顔へと上げていく。
「はぅ……っ あっ おに、いちゃ……っ んぁんん~~っ」
「ヴィクトリアっ 俺だけのもの、だよ……っ ぁあっ 愛してる……っ」
苦しそうに吐きながら腰を振る匠海に、ヴィヴィは下からぼうと見惚れる。
両の肘置きで狭まった視界には、必死に自分を見下ろしてくる匠海しか、映っていなくて。
それが、まるで「この世には――お前の世界には、俺しかいないよ」と、洗脳されている錯覚さえ覚える。
「うん……、ぅんっ お兄、ちゃ……、ぁああんっ」
ぱちゅん、ぱちゅんと鳴る姫鳴りと共に、匠海は更に言い募る。
「俺以外の、男……っ 見ないで……っ!」
「うんっ うん……っっ」
(大丈夫だよ。絶対に、ヴィヴィはよそ見なんてしない。お兄ちゃん以外、誰も目に入らない……)
「あ、いして、る……っ ぁ……なた、だ……けっ あぁっ!? ひゃぅ~~……っ!!!」
必死に兄を見上げながら、そう心の内を示した直後。
匠海は妹の上から限界まで腰を落とし、充血して大きくなった亀頭の先、思う存分白濁を吐き出した。
その暖かなものに敏感すぎる奥の口を濡らされたヴィヴィも、重たく感じるほどの快感を覚えながら果てた。
煙る湯気さえも心地良い、匠海のバスルーム。
湯の中、兄の胸に背を預けて呆けるヴィヴィは、もう身も心もトロトロだった。
(えへへっ また、好きになっちゃった……。お兄ちゃんのこと……♡)
やきもち焼きで、独占欲の強い匠海は、少し――いや、結構、大変だけれど。
でもそれだけ自分の事を愛してくれているのだと思えば、ヴィヴィは単純に嬉しい。
ただ、もう……兄にあんな辛そうな顔はさせたくないが。
「ヴィクトリア……、眠いのか?」
まったく躰に力が入っていないヴィヴィの様子に、背後から兄がそう問うてくる。
「ん~~ん。うふふ……。ヴィヴィ、幸せって、思ってたの」
夢見心地で囁くヴィヴィに対し、
「俺も。ヴィクトリアが「お兄ちゃんのペニス、大好き」って何度も言ってくれて、幸せ」

