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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第108章          

「…………ノンケ……て……?」

 初めて聞くその単語に、ヴィヴィは恐々口を開くが、

「ノンケっていうのは、ゲイから見てゲイかバイでない男が、興味の対象外ってこと。ちなみにバイって言うのは――」

 その後、説明を続ける匠海の声は、ヴィヴィの耳には届いていなかった。

(そ、そんな……。セ、セルゲイが……お、男の人にしか興味が無かっただなんて……。しかも、お兄ちゃんはそう判っていて、マドカの恋心にも気付いていて、放置していたなんて……っ!!!)

「ま、マドカにどう言えばいいのぉ~~……っ orz」

 両腕で金色の頭を抱えたヴィヴィを、匠海は後ろから面白そうに見つめていたのだった。

(お、お兄ちゃんの、ドS~~っ!!!)







 12月に入り、3日(金)~5日(日)。

 カナダ ケベックシティーでは、グランプリ・ファイナルが開催された。
 
 グランプリシリーズの スケートアメリカ、NHK杯で首位に立った双子は、ファイナルの舞台でも練習通りの滑りで、全く危なげなく金メダルに輝いた。

 最終日に行われたバンケットでは、父に買って貰ったシャネルのワンピが好評で。

 ヴィヴィはニッコニコで金メダルを携え、無事に日本へ帰国した。

 5月半ばから水曜日の午後に通っていた、モダン・バレエのレッスン。

 ヴィヴィは当初からそのつもりで、半年でレッスンを終了し。

 幼い頃からお世話になっているそのスクールで、今度はロマンティック・バレエのレッスンをスタートした。

 12月の2週目の週末には、児童養護施設 新緑寮に3回目の訪問をし、子供達に遊んで貰い。

 プライベートもスケートも、日々充実した良い時間を持てていた。




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