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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第109章
2021年1月3日(月)。
新年を迎えて早々、ヴィヴィには良い話と悪い話があった。
ではまず、良い話から――。
「英国から、お求めのお車が納車されました」
リンクから帰宅した双子に、朝比奈が知らせた朗報。
「わ! やっと?」とヴィヴィ。
「どこ、どこにあるの?」と興奮した様子のクリス。
車庫に保管してある車を見に行こうと、双子は玄関ホールのソファーに荷物を放り出して向かった。
レンジローバー・イヴォーク・プレステージ。
英国のランド・ローバー社のもの。
双子は当分、2人で1台を所有することに決めたのだが、その際の互いの希望は、
クリス → 絶対MT車、3ドアクーペ、色は白か青かシルバー
ヴィヴィ → できればAT車、5ドア、スポーツカーはNG、色は白か赤かシルバー
それぞれの希望を擦り合わせた結果、MT車、5ドア、色は白 という最低条件が決まり。
ヴィヴィは車の知識が皆無なので、実際の車選びはクリスに丸投げした。
それが昨年の10月頭。
クリスは速攻 購入車を決めたのだが、その車の日本での販売はAT限定だという事を知ると、
「英国から、輸入する……」
その鶴の一声で、6速MT車を輸入してしまった。
その他もろもろで、互いに300万円ずつ出した愛車は、カッコ良かった。
レンジローバー伝統の高級感ある造り、2.2リッター直4ターボディーゼル、4WDでスポーティー。
天井は開放する事が出来、後部座席と後部には荷物を沢山積める。
シートはキャメル色のオックスフォード・レザーで、内装はさすが英国の洗練された仕上がり。
とっとと風呂を使った双子は、その足でドライブへと繰り出し。
「うん。100点満点!」
と満足そうなヴィヴィに、クリスも納得して頷いたのだった。