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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第109章
「……マドカ……、セルゲイのこと……」
恐るおそる薄い唇を開いたヴィヴィのその問いに、円はにっこりと笑う。
いつもはマスカラやアイライナーでくっきりした目元が、今は柔らかい弧を描いていて、本当に可愛らしい。
「諦めてない。私が “女の良さ” をセルゲイに分からせてやるのよ~!」
胸の前で両拳を握り締めた円のその雄叫びに、ヴィヴィは驚きと共に、「あ~、マドカらしいなあ」と感心し。
「そっか、ヴィヴィ、応援する!」
「おうよ! 女一筋にするのは無理でも、バイ(両刀使い)にしてやる~っ!!」
そう高らかに宣言した円に、ヴィヴィは心から笑ったのだった。