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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第109章           

 寝室から書斎へと移動したヴィヴィは、デスクに腰掛け、3人へメッセージのお礼をしたため。

 それを手に、右側に位置するクリスの部屋へ通ずる扉を開く。

「朝比奈……?」

 小さな声でそう呼べば、ちょうどクリスの寝室から出て来た執事は、ヴィヴィに気付いた。

「お嬢様。おはようございます。お加減は如何ですか?」

 こちらへ近寄って来る朝比奈に、ヴィヴィはにっこりする。

「ん、もうすっかり元気。みんな、昨夜お見舞いに来てくれたんだね?」

「はい。奥様からは、本日は夕刻からのレッスンになったと、お聞きしております。……こちらは?」

 主が夜着の前で手にしているカードに気付き、朝比奈が視線を落とす。

「ダッドとマムと、それとクリスに、渡しておいてくれる?」

 「朝食はまだ後でいい」と言い置いたヴィヴィは、扉を閉めてその場にしばし立ち尽くし。

 何を思ったのか、その足でウォークイン・クローゼットへと入って行った。





 遮光カーテンの引かれた、仄暗い寝室。

 キングサイズのベッドの中央、大の字で眠りこけるは長身の男。

 1月の肌寒い早朝でも上掛けが必要無いくらい、室温は意図的に上げられていた。

 その長い脚の間にぺたりと座り込んだ少女は、躊躇なく紺地のパンツのそこに頬擦りを始める。

 柔らかな夜着越しにありありと感じる、硬くて大きなそれ。

 白いシャツから伸びた細い両掌で、その長さと太さを布越しに辿り。

 既に窮屈そうな昂ぶりを、パンツの合わせ目から外界へと導いてあげる。

 肌の白さを物語る薄紅色の陰茎は、まるで「寒い」とでも言う様に、一度大きくぶるりと震え。

 けれどその竿が暖かな両手に包み込まれると、落ち着きを取り戻して大人しくなった。

「朝、なのに……元気……」

 薄い唇から洩れるのは、驚きの中にも若干呆れを滲ませた声。

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