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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第109章           

 何度も角度を変えて兄の唇と舌を受け止めていると、いつの間にかデスクの上に背中を預けさせられていた。

 木の固い感触にちらりと視線をやれば、先程まで兄が使用していたノートPCは、きちんと脇へと寄せられていて。

「ああ、マズイ……」

 唇を離した兄の言葉に、ヴィヴィは「え?」と不思議そうにデスクの上から兄を見上げる。

「いや……、ここでヴィクトリアを抱いてしまったら、ここに座る度にお前のことを思い出して、仕事にならない」

 何を言い出すかと思えば、そんな事。

「……うふふっ やった!」

 勝ち誇ってそう喜ぶヴィヴィに、

「ああ、なんて小悪魔を愛してしまったんだろう、俺は!」

 と、匠海はやや芝居ぶって己を嘆いた。

 結局そのまま、デスクの上でヴィヴィは愛されて。

 その間も「痛くないか?」と確認してくれる兄の優しさに、ヴィヴィは嬉しくなって自分からも腰を揺らし、匠海を悦ばせた。

 どくどくと吐き出された暖かなものに、恍惚の表情で呆けるヴィヴィを、匠海はずっとその頭を撫でて見守ってくれていて。

「ほら、お風呂入ろうね」

 もう可愛くて堪らないと緩み切った表情を浮かべ、妹を抱き起そうとする匠海に、ヴィヴィは両手を付いて突っぱねた。

「……っ やだっ!」

 妹の思いがけない抵抗に、匠海は灰色の瞳を見開いて驚いていたが、

「ヴィクトリア……。いい加減にしなさい」

 さすがの兄も、少し厳しい口調でヴィヴィを窘める。

 そんなに何度も性行為を持ったら、妹の躰に良くないから。

 それも理由の一つだろうが、兄にはそれ以外に譲れない理由があって――。

 ちらりと壁の時計に視線をやった匠海に、ヴィヴィはカッとなり。

 まるで意地とでも言わんばかりに、寝ころんでいる大きなデスクの上で、寝返りを打った。

「ヴィクトリア……?」

 兄の躊躇いの声を聴きながら、ヴィヴィはデスクの天板の上に両手と両膝を着き躰を起こす。

 見せつけるように、白いシャツから露わになった小ぶりな尻を揺らせば、

 先程まで兄を受け入れていた膣口が、解れたそこから白い粘液を滴らせて誘う。

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