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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

「前菜、ご馳走様でした」

 匠海のその言葉を、ヴィヴィはその逞しい躰の下でくたりとしながら、聞き流していたのだが。

 ディナーを食べた後に、魚料理と称してねちっこく抱かれ。

 風呂を使った後に、肉料理と激しく抱かれ。

 さすがに気をやったヴィヴィを、甲斐甲斐しく介抱した匠海。

 しかし、それでは終わらず。

 暖かな湯の中で目を覚ましたヴィヴィを、甘い声で啼かせた兄は、

「デザートまで、たっぷり堪能させて頂きました」

 大層満足そうに、嗤ったのだった。







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