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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

 牧野マネージャー曰く、アスリートの中では5本の指に入るほどの閲覧数を誇っているらしい。

 しかし、

 毎年トップページのデザインがリニューアルされているとはいえ、やっぱり☆が沢山散りばめられたキラッキラした見た目だし。

 なによりも、HPを開くと自動的に流れる、舌っ足らずな幼児の歌声「♪Twinkle Twinkle Little Star~♪(キラキラ星)」。

 19歳で、来年には日本の成人年齢を迎えようという双子には、あまりに子供っぽ過ぎるそれ。

 毎年 年始には「もっとカッコいいのにしてよ~っ!」と主張する双子だったが、結局いつまでも変わらないであった。








 7月2日(土)。

 約1月半ぶりに児童養護施設 新緑園に訪問したヴィヴィは、梅雨真っ最中に外で遊べない子供達と、またピアノを囲んだ。

 前回言われた日本のアーティスト、EXILEやAKB48等の楽譜を持参したヴィヴィは、今度は「使えねぇ~」扱いはされなかった。

 「ふふん」と得意げに胸を反らせたヴィヴィだったが、速攻「オトナ気ねぇ~」とぴしゃりとやられる始末。

 ちょうど学期末試験中の、中学生達の勉強を見てあげたりして過ごし。

 ディナーの時間が押し迫った為、ヴィヴィは愛車を運転して屋敷へ帰宅した。

 久しぶりに家族揃ってゆっくりと、食卓(というにはデカ過ぎるダイニングテーブル)を囲み。

 腹が満たされて眠気をもよおしながらも、ヴィヴィは速攻 私室の書斎に籠った。

 中学生の試験勉強を見ている場合ではなく、自分の学期末試験もすぐそこまで迫って来ていた。

 前回の冬の試験は兄2人に随分と迷惑を掛けてしまったので、今回はひとりで出来る限り乗り越えねばならない。

 コーヒー片手にがぶ飲みしながら、試験範囲を隈なく網羅したヴィヴィ。

 朝比奈に促されて湯に浸かりながらも、プリントアウトしたまとめノートを、ぶつぶつと暗唱したのだった。
 
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