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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章
11日間の試験を終えた週末――7月30日(土)。
匠海とヴィヴィは、約束通りに葉山にいた。
ヴィヴィはいつも5時起きのところを、4時起きで愛車でリンクへ向かい。
昼前には練習を切り上げたので、今日はいつもよりゆっくり出来る。
別荘に到着し、協力してサンドウィッチを作った兄妹は、そのまま目の前のビーチへと繰り出した。
プレイベートビーチではないのだが、別荘の周りには他に家が無い為に、通り掛かる人影はほぼ皆無。
日焼け止めをこれでもかと塗りたくったヴィヴィは、人目も気にせず匠海に甘えまくった。
「あの島まで、競争だよ!」
そう言い出したのは自分の癖に、深くなって足が付かなくなると、半泣きで兄にしがみ付いたり。
大きな浮き輪に乗ったまま、匠海に泳いで押して貰ったり。
そして念願だった、おんぶのままで泳いで貰ったり。
「美味しいね、お兄ちゃん♡」
1時間ほど泳いで、空腹を感じた2人。
別荘まで1分の道を戻り、軽くシャワーを浴びると、ウッドデッキでランチを摘まみ始めた。
サンドウィッチに、色取りどりのピクルス。
皮も食べられるマスカットに、メロン。
互いに食べさせ合いっこし、存分にべたべたしたヴィヴィは、もう大満足だった。
隣でシャンパンを傾けている匠海も、寛いだ表情を浮かべていて。
マスカットを口移しで食べさせれば、薄い唇も一緒に奪われてしまった。
「あんっ ダメだよ……、お外、だもん」
恥ずかしそうに兄を窘めたヴィヴィだったが、匠海はそんな事でめげる様な人間ではない。
「何言ってる。外だから、こんな事で我慢してるんじゃないか」
そう言いながらも背中に回した腕の先、キャミワンピの胸をびよんと引き伸ばした匠海。
ぱっと下を見れば、カップ付きのキャミワンピの中、白い乳房とその先の尖りがばっちり目に入り。
「……~~っ や、やぁんっ」
咄嗟に両腕で胸を隠したヴィヴィに、匠海はその耳裏をべろりと舐め、更に甘い声を上げさせる。
「もう、お腹一杯。今度はお前を食べさせろ」
そう傍若無人な言葉でランチを切り上げた兄は、パパッと食器を片付けると、妹を抱き上げて2階へと向かった。