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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

「ダメ。今日は時間いっぱいあるし、ゆっくり楽しみたい」

 躰を起こしてヴィヴィの隣に身を横たえた匠海は、収めた指を動かしながらにやりと嗤う。

「い、じわるぅ……っ」

「ふっ そうだよ。俺はもう “25歳のオヤジ” だからね。意地悪しながらねっとり抱くことにした」

「え……? あ……、クリスの、あれ、は……冗談……」

 まさか本気にしていたのか。

 5月半ば、弟に “オヤジ呼ばわり” された匠海は、クリスの唇を奪って腹いせしていた。

「そう? でも30代になったら、俺、今までみたいに沢山お前を愛せなくなるかも?」

 ようやく指を止めてくれた匠海は、隣のヴィヴィにこつりと頭突きする。

「……いい、よ……?」

「ん?」

「だって、お兄ちゃん……ぜ、絶倫……さん……、なんだ、もんっ」

(ヴィヴィ、お兄ちゃん以外の男の人、知らないけれど……。何時間やっても元気だから、きっとそう……なんだもん)

「…………、あははっ 俺って絶倫なんだ?」

 一瞬きょとんとした匠海は、すぐに大きめの唇を開いて笑う。

「ん。きっと、そうなんだもん……。だから、沢山……じゃなく、なったら、きっと “普通” になる、んだもん」

「そうだな。じゃあ、今は出来るだけ沢山、ヴィクトリアを愛することにするよ」

 ふっとアンニュイな笑みを浮かべた匠海は、また膣内の指を動かし始め。

 妹に覆い被さり、様子を伺いながら首筋を舐めては喘がせた。

 ねっとりねっちょり指と口で愛されたヴィヴィは、1時間近くそうされると、流石に根を上げて降参する。

「もう……っ やだぁ~~……」

「ん? 疲れちゃった?」

 自分を覗き込んで来る兄の顔は、保護者の表情が半分、ヴィヴィをとことん虐めたい恋人の表情が半分、といったところか。

「ちがぅ~~、……ひとり、は、もう……いやぁ」

(ヴィヴィばっかり、イってるの……。き、気持ちいいけど、なんか淋しい……)

「そうだな。一緒に気持ち良くならないとな?」

 確かに匠海はそう言ったのに。

 何故かその後も、中々ヴィヴィの中に入って来てくれない。

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