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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章
「うふふ。幸せ♡」
「そう?」
「うん。だって、2人っきりだよ?」
こんなに長い時間、互いだけを見詰めて、互いだけを感じて。
この葉山に来ない限り、多忙な兄妹は滅多にゆっくりとした時間を共有出来なかった。
「そうだな」
「それにここでは、お兄ちゃんは “ヴィヴィだけのもの” だし?」
(えへへ、独り占め なの~~)
「馬鹿……。俺は何処に居ても、お前だけのものだろうが」
そんな嬉しい言葉をくれる匠海に、ヴィヴィは両腕を兄の首に巻き付け、ひしと抱き締める。
柔らかだった兄の抱擁も、徐々に強くなっていき。
(~~~っっ やんっ ヴィヴィ、本当に幸せだ……っ)
互いの表層を重ねるだけで、こんなに気持ちいいなんて。
うっとりと目蓋を閉じれば、気付かぬ内に蓄積していた多忙な日常の疲労が、ふわ~~と霧散していく。
兄の香り、体温、肌。
そんなものを感じ取っていると、だんだん眠気が襲ってきた。
が……。
匠海は全くそうでは無かったらしい。
ヴィヴィの内股をぐいぐい押し返してくる陰茎は、時間が経つにつれて、硬度を増すばかり。
気のせいか、ぐっぐっと押し付けられている様にさえ感じる。
(ん~~と、続き、したいのかな? でも、お疲れ、なんだよね……?)
「……ヴィヴィ、しても、い……?」
自分が上に乗って動けば、匠海はそう疲れないかもしれない。
おずおずとそう尋ねれば、くすりと笑う声と共に返事が降って来た。
「いいよ。おいで……」
「おにいちゃんを、気持ちよく、するの」
そう言ったのは、嘘ではないのに。
匠海だって、
「頑張って」
と言ってくれていたのに。
いざ兄の上に乗って動き始めると、焦らされた反動か、ヴィヴィはすぐに達してしまった。
「……っ ゃっ ~~っ う、そぉ……」
白いベッドに寝そべった逞しい兄の上、
夕日に照らされて茜色に染まった華奢な姿態が、ふるふると震える。
嘘も何も、自分の最奥は甘ったるい痺れに襲われているし、腰が抜けたように動けないし。
なのに、自分の中を穿つ兄の分身は、更に硬さと太さが増していた。