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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

「っていうか、お兄ちゃんて、結構 不器用だよね? 頭が良過ぎるからかな?」

 兄の胸の上でしたり顔を浮かべたヴィヴィは、匠海の引き締まった両頬を掌でぺちぺち叩く。

「は……?」

 妹の言葉があまりに予想しなかったものだったのか。

 ぽかんとした表情で見上げてくる兄を、ヴィヴィは「めっ」と言いながら諭す。

「考え過ぎて悩み過ぎて、何でも難しく考えちゃうの」

「………………」

(そういえば……マムも言ってたな……)

『ああみえて、匠海も結構不器用なところ、あるからねえ……。表ではうまく立ち回ってても、裏では四苦八苦してたり……。ああ、白鳥みたいなものね。水上の姿は美しいけれど、水面下じゃばたばたしてるっていう……』

 黙りこくって何やら難しい表情を浮かべている匠海。

 その様子を上からじいと眺めていたヴィヴィは、薄い唇を開く。

「ヴィヴィが、好き?」

「好きだ」

 即答した兄に、妹は更に続ける。

「ヴィヴィを、愛してる?」

「勿論、心の底から愛してる」

 そう発した匠海の腕には、それを表すようにぐっと力が入っていて。

「そ? 良かった♡」

 そう締め括ったヴィヴィは、心底嬉しそうに笑った。

 見た目通り子供っぽいんだか。

 19歳の年よりも老成しているのか。
 
 ただ確実に、今のヴィヴィは、昔のヴィヴィとは違った。

 兄の胸に両手を付いて躰を起こしたヴィヴィは、咥えたままだった昂ぶりを中心に円を描き始める。

「んっ ふぅん……っ」

 お預けを食らっていた膣粘膜を慰める様に、がちがちに硬い陰茎で掻き回せば、

 匠海も良さそうに、妹の腰を下から支えてきた。

「んんっ かたぁい」

 自分の分泌した蜜が零れたそこで、互いの皮膚が擦れ合うのも気持ち良くて。

 うっとりと瞳を細めたヴィヴィは、兄の分身を愛そうと上下に動き始めた。

 けれど、腰を掴んだ匠海に上下を入れ替わられてしまって。

「ああ、凄くいいっ」

 そう喘ぐ匠海は、胸の中に抱き締めた妹を腰だけをくねらせて、高速で突き上げ始めた。

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