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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

「ん? ほら、欲しかったんだろう?」

「……――っ」

 いけしゃあしゃあとほざいてくる匠海を見つめるヴィヴィの顔は、くしゃあと歪み。 

 いやいやと小刻みに首を振る妹を、匠海は更に虐めてくる。

 最奥にこつんとぶつけられたまま止められていた亀頭が、くにくにと触れ合ったそこに擦り付けられて。

「ほら、ここに……。ヴィクトリア、子宮のお口にかけられるの、大好きだもんな?」

「……~~っ」

 先程目にした白いものが、今、自分の最奥に塗り拡げられている。

 脳裏にぱっと映像が浮かんだ。

 ピンク色の自分の奥――女の証の入口に、割れ目に溜まっていた白い精液が、ぬちゃぬちゃと糸を引きながら擦り付けられていて――。

 そう思うだけで、ヴィヴィの浅ましい躰は疼いてうずいて、中の匠海をきゅうと締め上げてしまう

「ヴィクトリアのここは、本当に正直だね」

 兄の意地悪な言葉に、ヴィヴィは悪さを咎められた子供の表情を浮かべ。

 けれどもう、我慢ならずに訴えた。

「…………ほし、い」

 いつも兄が自分を沢山愛してくれた後に、たっぷり注いでくれるもの。

 ヴィヴィは永遠に匠海だけのもの――。

 そうマーキングする様に、一番大事なそこを汚される、刹那的で恍惚とするその行為。

 想像するだけで胸が高鳴る。
 
 否――そんな生易しいものじゃない。

 心臓が壊れそうなほど収縮を繰り返し、自分の命を刻々と削っているような感覚にさえさせられる。

 どくどくと脈打つ胸が苦しくて、それに呼応して早くなるヴィヴィの呼気。

 その妹の尋常でない様子に、中てられたのだろう。

「……――っ ああ、いっぱいあげようっ」

 兄のその声を聴いたのが最後。

 ヴィヴィはそれからの事を、曖昧にしか覚えていない。

 可愛らしい喘ぎなんて出やしない。

 広い寝室に響くのは、互いの荒い息と獰猛な呻き。

 妹を組み敷こうと激しく腰を打ち付けて来る兄を、

 枕の山に埋もれた妹は、必死に縋り付いて、更なる快楽を生み出すために腰をくねらす。

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