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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章
どうなってもいい。
今この瞬間が良ければ、それでもういい。
愛とか恋とかどうでもよくて、
ただただ互いが互いを欲していた。
あまりに即物的で、獣じみたその行為。
羞恥心など頭の中から弾け飛ぶ。
何度も上下を入れ替わって互いを貪った兄妹の躰は、どちらのものか判らない汗と体液で濡れそぼり。
紫色に染まり始めた宵の空に、生気を失ったつがいとして、青白く浮かび上がる。
何度達したのか。
どれだけの時間、そうしていたのか。
もう意識が朦朧とし始めたヴィヴィに、匠海が最後を告げる言葉をやっと吐く。
「ほら……っ 俺を、いっぱい、味わいなさい……っ」
シーツに沈んでいた腰を掴まれて、
互いの汗で一度滑って離れた掌は、絶対に逃さないという風に、がっしりと掴み上げてくる。
そして激しい注挿の後、腰を深く落としてきた匠海。
前にも後ろにも、逃げ場なんて無い。
子宮口の窪みにぐっと押し込まれた亀頭の先は、更に奥に入りたそうに暴れていた。
苦しそうに咽喉を鳴らし、金色の頭を振り乱すヴィヴィ。
スプリングに沈む華奢な腰とは裏腹に、
最奥に跳ね返る飛沫の熱さに、細い背筋が弧を描いて跳ね上がる。
「ひぅう……っ!? あ、ぁ゛……、うぁあああああっ」
高く細い声で喘ぐヴィヴィの瞳からは涙が零れ、その小さな頭の中は息も詰まりそうな快楽一色に染まった。
(出て……る~~っ いっぱい、あったかいの、かけ、られてるぅ……っ)
気持ちいい。
気持ちいい。
頭の中がそれだけで塗り潰され、
もう、何も考えられない。
どくどくと注ぎ込まれる兄の精液。
そして常と同じく、亀頭の先で粘着質なそれを撹拌しながら、敏感なそこに塗り拡げられて。
がくがくと痙攣する妹を、まだ許さないといたぶり続ける兄。
天国を見たまま降りて来られないヴィヴィの意識は、徐々に薄れ始め。
そして、白一色だった世界は、墨汁が垂らされた水の様に、徐々に黒一色へと塗り潰されていった。