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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

 その中から現れたのは、清楚な膝丈のドレス。

 首元は幾つもの真珠が散りばめられ、胸から下はある物をモチーフに造られていた。

 深い水色の “ウェッジウッド・ブルー” の陶器に、レースを模した白いカメオのレリーフが施されたもの。

 英国の陶磁器メーカー、ウェッジウッドの “ジャスパー” の陶器を模した、可憐なドレス。 
 
 先程まで笑いに包まれていたリンクが、一気に「ほう……」と、熱の籠った溜息に変わる。

 胸元まで垂れ下がった、美しい金色の巻き毛。

 その前で、ヴィヴィはうっとりと両手を組み、歌い始める。

『Think of me.
 ――私を想って

 Think of me fondly.
 ――優しく思い出して

 When we've said good-bye.
 ――“さよなら” を言った あの時を』

 そして滑り出したヴィヴィに、「待ってました」とばかりに拍手が起こる。

『Remember me once in a while.
 ――時々でいいから 私を思い出して

 Please promise me you'll try.
 ――お願いそう約束して』

 両腕で胸の前で弧を描き、ゆったりとした入りから入ったスピンは、

 腕を畳んで行く毎に、高速のスピンへと変わっていく。

『When you find that, Once again, you long.
 ――いつか 思い直す時が来るわ

 To take your heart back and be free. 
 ――自由を取り戻したいと そう思う時が』

 徐々に加速していくスピードの先、

『If you ever find a moment. 
 ――少しでも時間があれば

 Spare a thought for me.
 ――私のことを 思い出して』

 助走の後、ふわりと飛び上がった3回転ルッツに、大きな拍手が巻き起こる。

 クリスティーヌの歌声は、やがてオーケストラの響きへと移ろい。

 そして、ようやく現れたクリス――扮するファントム。

 途端に大きくなる、黄色い女性の歓声。

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