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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

 柔らかな白のブラウスの上に、漆黒のジャケットを纏ったクリスは、静かにヴィヴィの背後から近付き、

 ステップを踏んでいたその細腰を掴み上げると、腕の中に抱えたまま、スピンを回る。

 驚いて背後を振り返るヴィヴィ。

 そこに居たのは、顔の右側上部を、白い仮面で覆った男。

 クリスは、ヴィヴィに棒の付いた仮面を握らせる。

 恐々、豪奢な仮面を顔に当てた途端――

 リンクに響き渡るのは、花火の打ち上がる音と、トランペットのファンファーレ。

 それは宴を知らせる華やかな音色。

 ぱっと金色の照明に浮かび上がるリンク。

 次いで響いたのは、大音量のコーラスとオーケストラ。

『Masquerade!
 ――マスカレード! 仮面舞踏会!

 Masquerade! 歌え 踊れよ 楽しく』

 仮面の棒を手に、クリスとホールドを組んだヴィヴィ。

 見詰め合った双子は、くるくると前後を入れ替わりながら滑り始める。

『Masquerade!
 ――マスカレード! 思い思いに

 Masquerade! 仮面つけて 集まれよ!』

 そしてホールドを解いた双子は、互いに反対方向へと滑って離れ、

『誰が 誰なのかわからない

 王様の顔や道化の顔

 いろいろ出てくる

 次々に メリーゴーランド

 そう メリーゴーランドの如く 回り続ける』

 少し長めの助走から、リンクの対角線上で3回転アクセルを飛ぶ。

 今現在、この双子でしか男女同時に飛ぶ事の出来ないそのジャンプ。

 再び大音量のコーラスとオケが、『Masquerade』を歌い上げる中、

 小刻みな、魅せるステップを踏んだ2人。

 クリスの首に右腕を絡ませたヴィヴィは、そのまま彼の背中側をくるりと周り込み、

 肩の後ろを右腕で支えられ、大きく開脚しながらリンクへと沈み込む。

 肩の支えを引き上げられたヴィヴィは、クリスの手を離れ、まるで悪戯をする様に駆け出して行く。

 アラベスクスパイラルへと入ろうとするヴィヴィを、クリスは後ろから抱き締め、逃さない。

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