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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第110章          

 掴み上げられた腰。

 太く貫かれている兄の分身を中心に、ぐるぐると円を描かれれば、

 陰茎に絡み付いていた膣粘膜が、擦られながら引き伸ばされてしまって。

「ふぅっ!? んっ ふ……っ ふぅうっ」

 掻き回される膣内に、それに抗うように必死で兄を締め付ける自分。

 そして、それだけでは止まらず、匠海の腰を跨いでぺたりと倒していた両脚は、

 今や胸の前で折り畳んで、切なそうにその膝頭を擦り合わせていた。

「可愛いっ ああ、ヴィクトリアの、膣圧だけで、俺をイカかせて?」

 そう懇願してくる匠海の言う通り、

 ここロンドンの屋敷では、ヴィヴィはいつもの様に上下に跳ねて、兄を喜ばす事は出来なかった。
 
 ベッドがギシギシ五月蠅いし、結構な築年数が経っているために、防音効果も怪しいから。

 そして、階下では親族達が酒を嗜み寛いでいる。

 その現実をはっと思い出したヴィヴィの膣がきゅうと締め上がり、中に埋められた兄の昂ぶりもびくびくと震えた。

「ほら、俺のペニス、可愛がって? そしたらヴィクトリアの中に、あげるから」

「……――っ」

 匠海のそのおねだりに、ヴィヴィは苦しそうに瞳を細めて見下ろす。

 そんな妹を、兄は駄々っ子を慰めるように、優しく撫でさすった。

「そんな、期待した顔して……。心配しなくても、俺のを沢山 注いであげるよ」

(……っ 欲しいっ お兄ちゃんの、暖かいの……、ヴィヴィの奥にいっぱいかけてっ)

「~~~っ んっ ふぅん、……んんっ」

 兄の言葉に火が付いたヴィヴィは、また両膝をぺたりと倒し、腰を前後に擦り付け始める。

 少しでも匠海が気持ち良くなれるように。

 ヴィヴィが感じると、兄も良くなってイってくれるから。 

 ぐちゅぐちゅと蜜を掻き混ぜる音が、シャワーの音と重なり合う。

 本当は兄の腹筋に両手を着いて動きたいけれど、今 口元から手を離してしまったら、絶対に声を我慢出来ない。

 両手で覆った顔を仰け反らせ、その下の背中もしならせ、兄を受け入れる角度を変えてみる。

「……っ ああ、いいっ」

 予想通りいい反応が返ってきて、ヴィヴィはもう少し腰を落とした。

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